かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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ヨーロッパ中毒奇行紀行三日目・アムステルダム〜パリ、鈍行列車の旅

3時間のブリュッセル観光

鈍行列車でベルギーへ

この日は7時頃に目覚め、シャワーを浴びて朝食を摂りました。9時過ぎには2泊お世話になったホステルをチェックアウトし、アムステルダム中央駅を目指します。今日の予定は、超特急・タリスをあえて使わない、パリへの鈍行列車の旅です。タリスを使って一気にパリまで駆け抜け、現地でルーブル美術館を見る、というプランもあったので須賀、①友人は既にルーブルに行ったことがある、②ルーブルってそんな短い時間で見られるものなの?、③もう一回くらいはパリに行くチャンスはあるはずだ*1、など諸般の(?)事情でこれを断念し、ここはひとつ「国境をまたぐためだけに乗り換える電車」とやらに乗ってみよう、ということになったのでした。
そんなわけでまずは、アムステルダム中央駅でブリュッセル行きの切符を購入します。窓口手数料をケチろうとして自動券売機を探したら、どの機械もカードはおろかキャッシュも使えず、結局すごすごと窓口に引き返す…なんてオチもありながらも、なんとか9時56分発ブリュッセル行きの切符*2を手に入れることができました。
電車は定刻にアムステルダムを出発し、3時間弱かけてお隣ベルギーの首都・ブリュッセルへと向かいます。隣のボックスに座っていた親子連れの”Can't Buy Me Love”*3を聴きながら、デンハーグロッテルダムというオランダの大都市を経由していきました。それらの都市というのはアムステルダムとは違って、駅前に高層ビルの立ち並ぶ日本人にも見慣れた「都市」の景色だったので須賀、たまに森に囲まれた田舎の村みたいなところを通ったりもして面白かったです。
こんなことを考えているうちに、ベルギー北部のアントワープを通り過ぎ、12時45分頃ブリュッセルへと到着しました。当初予定ではあまりベルギー観光というのは考えていなかったので須賀、せっかくの機会でもありますので、ここで昼食を兼ねて数時間滞在することにしました……とその前に切符ですね。私たちは降り立ったブリュッセル北駅の切符売り場で、パリ行きの鈍行列車の切符を買ったので須賀、ここからなら普通にタリスに乗ったほうが安いんだそうですwww 窓口のお兄さんに素で”Why not Thalys?”と聞かれてしまいましたw こうして4時発の切符を胸に、ブリュッセルの街へと繰り出したのでした。

小便小僧とグラン・プラス

まず向かったのは小便小僧です。むしろもともとブリュッセルを観光するつもりはあまりなかったので、小便小僧くらいしか行く場所を思い付かなかった言う方が正確なのかもしれませんがorz そんな小便小僧なんで須賀、小便してましたね、えぇ。すかさず私もズボンのチャックに手を…かけたのは事実ですけど、もちろん彼のマネはしていません。

この小便小僧は1619年に造られたんだそうで、様々なイベントに応じてコスプレをしていることも多いんだとか。近くの売店では、小便小僧のコスプレトランプとポストカードを計7ユーロで買いました。
そして次に向かったのは、ブリュッセル市街の中心に位置するグラン・プラス。市庁舎や王の家といった荘厳な建築物に360度囲まれたこの広場は、ユーゴーをして「世界で最も美しい広場」と言わしめたんだそうです。
確かに実際行ってみて、その壮大さには驚きました。さがってもさがっても写真に収まらない*4www 結局全景を撮ることはあきらめて、なんとなくカッチョイイ(?)感じのこの一枚で納得することにしました。

まぁこんな感じの建物が一周ズラッと並んでいたわけなんですけど、改修中の一部建物のカバーにその建物のものと思しき絵が描かれていたのは結構面白かったですねw

駅ナカのバーで乾杯www

その後、早くも資金難に陥ったためトラベラーズチェックを換金したり*5、片言の日本語で執拗な勧誘を受けながら、見るからにオシャレオシャレしたカフェ通りをふらついたりとしていたので須賀、午後2時過ぎにはそれにも飽きてしまい、駅に舞い戻ることにしたのでした。そして私たちが向かったのは…駅ナカのバーwww 非常に陽気で恰幅のいいおばさんが切り盛りするバーで、何を言っているのかは分からないものの、他の客とも楽しそうにやりとりしていたようでした。そういえばタバコを吸おうとした客にはものすごい剣幕で怒ってました*6けどねw
そんなわけで私たちも、それこそ片言のフランス語*7で注文することにしました。
私「び、びえーる しるぶぷれ」
おばさん「Une bière s'il vous plaît.Merci」
私「め、めるしー」
発音の仕方を教えていただいてしまいましたwww でもその後に頼んだ「黒ビール」を含めて通じてはいたようで何よりです。結局7ユーロで生ビールを4杯飲むことができました。そして何を血迷ったのか(笑)、友人は駅のコンビニで缶ビールの大人買いを始めたのでしたww

国境列車、そしてパリへ

国境の町・Quevy

こうして私たちは、あろうことか3時間ちょっとのブリュッセル滞在時間の半分以上を駅ナカのビールに費やし、15時59分発のQuevy行きの列車でブリュッセルを後にしました。乗った電車は結構混んでいて、席を確保した後トイレに行った友人の席に座ろうとする人が何人かいましたね。いちいち説明するのには骨が折れました、っていうか最後の人にはなかなかうまく通じなくて、周りの人に助けてもらっちゃいましたw
国境の町Quevyに着いたのは17時過ぎ。この季節とあって外はすっかり暗くなっていたので須賀、それにしても何という寂寞感…w


ちゃんと線路が行き止まりになっているのも国境っぽいですよね? ただそれこそタリスを使えばどこが国境だかよく分からないうちにフランスに入れてしまうわけで、今思えば「国境」という政治的境界を可視化し「体験」したいという欲求と、そのステレオタイプが私にこの町を、あたかも場末であるかのように見せていたのかもしれません。実際どうかは知りませんw

国境列車、そしてパリへ

そしてここで隣のホームの電車に乗り換えたんで須賀、これもまたアンティーク(笑)でしたw 落書きが多いのにも驚きましたが、座席が何個も壊れてるwww ま、ほぼ貸し切りでしたねww
このおんぼろ列車とは20分ちょっとのおつきあいで、ほどなくフランス側のAulnoye Aymeriesへ。こちらはちょっとした町といった感じで、30分くらい徘徊したんで須賀、落ち着いた住宅地、のように見えましたね。こちらも実際どうかは(ry
お次の電車は結構キレイ*8で、ぽつぽつながら乗客もいました。で、ここでブリュッセルで買った缶ビールを開ける、とwww サクランボのビールなんて珍しいものもありましたが、日本にあるような缶チューハイとそんなに変わらない気がしました。そしてうとうとと眠りの世界へ……

パリに降り立つ

午後8時。まだ眠い目をこすりながらパリ北駅に降り立ち、地下鉄(1.5ユーロ)で“Le Village Hostel”なるユースホステルへ。地下鉄の自販機では水(1.5ユーロ)を買ったんですけど、その時にいかにも柄の悪そうな兄ちゃんになにやら話しかけられてビビりましたね。友人は「たばこの火を貸してくれ」とか何とかで絡まれたそうで… パリ北駅も泊まったホステルも、セーヌ川周辺のいわゆるパリ中心部から見れば北側ということになるのでしょうが、この辺はどうやらあまり治安のよくない地域のようです。
ホステルに着いたのは8時40分ごろ。手続きは9時からだと言われたので、それまで待ってからチェックインしました。お代はシーツ代(デポジット)込みで50.7ユーロ。どうやら『地球の歩き方』の読者割引があったそうで、『地球の歩き方』を何気なく持って時間を待っていたら、フロントのお兄さんに「わかったわかった、ちゃんと割引にするからそれしまいなよww」とたしなめられてしまいましたwww お金にがめつい日本人のイメージを助長してしまいましたかねorz まぁある意味で私も誤解されたわけで、日本人に関するステレオタイプの被害を被ったとも言えるわけで須賀。

ルームメイトはオーストラリア人

部屋はもちろんドミトリー。二段ベッド×四組の八人部屋で、私たちが入ったときにはオーストラリアから来たという若者が二人在室していました。こういう状況だとたいていどちらからともなく会話が始まり、お互いの身の上やらこれまでの旅程について話すのが常のようで、今回もご多分に漏れずといったところだったので須賀、なにぶん昔のことなもので(藁)*9、彼らとどんなことを話したかあまりよく覚えていませんorz 確かこういう話をしたと思います①彼ら二人はメルボルンから来た大学生。確か理系の学問*10をやっていた気がします。19歳って言ってたような。②オレたち日本から来たんだぜ話。なぜか出発の時に母親に持たされた岡山特産のきびだんごを食べさせて、「何これ?」「うーん、まあ米だね」「へえ、うまいね」みたいな会話をした覚えがあります。③彼らはすでに東欧を中心に何カ国か回っていて、パリを見たあとはドゴール空港から帰る予定らしい。④「(私たちが持ってきたシーツを見て)何それ?そんなのもらえるの?」「ええ、まぁ」…。
オーストラリア人と聞いて“Today is Monday”を「トダーイ イズ モンダーイ」*11と発音するようないわゆるオーストラリア英語を期待したんですけれども、英語のできない私に気を遣ってくれたのかなんなのか、とても聞き取りやすい英語で語りかけてくれた二人でした。こうして私は無残にも、日本人にあてがわれたステレオタイプに反感を覚えながら、一方でたやすくオーストラリア人にステレオタイプ的な振る舞いを要求する自己矛盾を露呈するのでした。これは完全に言い訳でしょうが、目の前にある未知なるものを、なるべく「経済的に」*12理解したい、その欲求はなかなか強いものなのかもしれません。

パリの夜歩きと日本人との出会い

そんな彼らとの談笑の後、10時過ぎから散策に出ることにしました。やっぱり夜歩きはちょっと怖そうな道*13を二人で歩き、ムーラン・ルージュを外から眺めて帰ってきました。途中スーパーで食糧やらワインやらを買って帰ったので須賀、そのスーパーがカルフールだったかどうかは今となっては確かめるすべがありませんねwwww まぁそうだったとしても買ったことを悔やんだりはしませんがw

宿には11時ごろに戻り、たまたま会った関西の大学生とワインとチーズを片手におしゃべり。実は私は飲まなかった*14んですけどねw 1時ぐらいまでしゃべってから私は寝たんですけど、友人とその彼はタバコ*15を吸いながらもうちょっとあったみたいです。

*1:むしろあるべきだ

*2:手数料込で24.35ユーロ

*3:ビートルズのあれですね

*4:360度あるんだから当たり前ですけどw

*5:100ユーロ分が現金95ユーロになって返ってきました

*6:ここは禁煙エリアのようでした

*7:ベルギーはフランス語とオランダ語公用語で、ブリュッセルはその併用地域なので須賀、このバーでは明らかにフランス語メインで話されていました

*8:あの紳助にいじられてる人のことではありませんww

*9:これを書いているのは2008年のお盆ですorz

*10:ド文系丸出しですねwww

*11:確かに彼らの話し相手がトーダイのモンダイ児であることに疑いはないのでしょうが

*12:心理学でもこういう言い方しましたよね?

*13:一昨日の夜にいた街とはレベルが違いますけどねw

*14:純粋に気分じゃなかっただけだと記憶しています

*15:それ以上でも以下でもありません