かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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ニュースそのものではないで須賀…

自衛隊が害獣駆除』
国会のキツネ、タヌキも
       ――国民
(長野・百言居士)

これは12日付朝日新聞の「かたえくぼ」*1です。百言居士さんという方は私がお見受けする限りではこの欄の常連さんで、なかなか面白いことを書かれる方だと思っていたので須賀、これはちょっと笑えないと思い取り上げてみました。
まずこの投稿は、自衛隊が人里を荒らす害獣の駆除に乗り出すことが検討されている、というニュースを下敷きにしています。そしてそれをネタにして、国会にもキツネやタヌキのような連中がいる、と国会議員たちへの不信感を表明しているわけなんで須賀、それはちょっと言い過ぎというか、笑えないジョークのような気がするんですね。
どういうことかというと、佐藤賢了の「黙れ!」事件を連想してしまったのです。この事件は国家総動員法を審議していた1938年の帝国議会で、陸軍の軍務課政策班長であった佐藤賢了中佐が国会議員の野次に対して「黙れ!」と一喝して問題になったという事件なので須賀、これは野次とはいえ議会における発言に対して軍の人間が怒鳴りつけるという、当時の軍の専横・驕慢に対して批判が向けられたということでしょう。何か例を出したが故に回りくどい話になってしまいそうで須賀(藁)、要は私はこの投稿をみた時、国の方針を議論によって決める場であるべき議会に対して、軍という国内最強の暴力組織が力を誇示して干渉する、そのことに対する空恐ろしさを強く感じたのです。確かに自衛隊は軍隊ではない、ということになっていますし、そもそもこれは冗談で投稿した方も実際にそうしろなどとは全く思っていないのでしょうが、ちょっとこれは笑えないな、と思ってしまったのです。それだけ。

*1:読者投稿のちょっとした風刺ですね