かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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戦艦武蔵とプロダクトマネジメント/『プロダクトマネジメントのすべて』(及川卓也、曽根原春樹、小城久美子)

【目次】

 

プロダクトマネジメントという仮説検証

著者の一人が新聞協会で講演していたのを聞き、手に取ってみました。

ニュースサイトという既存のプロダクトをどう育て環境に適応させていくか、新しい収益の柱となりうるプロダクトをどうつくっていくか、という目線で読み進めました。

印象的だったのは、最初からピカピカの完成品を作って未来永劫同じように使い続けるという発想ではなく、プロダクトを作り使う過程で常に仮説を検証し、内外の変化に対応していく姿勢です。

戦艦武蔵の失敗に学ぶ

先日「フィリピン周辺の海で発見された戦艦武蔵の残骸から実像に迫る」という番組の再放送を見ました。武蔵は「対戦艦最強の不沈艦」を目指して設計されたものの、完成した頃には既に航空戦の時代になっており、レイテ沖で米軍の航空機の格好の標的となって敢えなく沈没。海中で積んでいた(けどロクに使えなかった)弾薬が大爆発してしまった可能性が高いのだそうです。

どれだけの時間と労力とお金をかけて「超大作」を作り上げても、戦艦武蔵のように実戦にそぐわないものになってしまっては意味がありません。「常にFit & Rifineを怠るな」「当初の予定通りにいかないことを恐れずに真摯に仮設検証せよ」という著者の助言は、この不確実性の時代には尚更肝に銘じるべきもののように思えました。