かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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「麒麟がくる」三十三話/「金髪豚野郎」ならぬ「坊主豚野郎」登場/実は就任早々だった天台座主・覚恕

【目次】

 

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実は就任早々だった天台座主・覚恕

今回は、織田信長比叡山焼き討ちに至るまでの経緯が描かれていました。

覚恕は確かに正親町天皇の弟で、1570年(つまりドラマに登場したその年)に天台座主となっています。美しい兄へのコンプレックスの強さから、長じて「金髪豚野郎」ならぬ「坊主豚野郎」となったという設定でしたが、焼き討ち直前に参内して朝廷に相談を持ちかけているそうで、実際に兄との間に不協和音があったのかはよくわかりません。

ちなみにこの天台座主、中世には覚恕のように天皇家摂関家の子息が多く就くようになります。摂関家からは、平安時代末期に「愚管抄」を書いた慈円がよく知られていますね。

再検討を迫られる比叡山焼き討ち

この焼き討ちはかなり凄惨なものと伝わっており、例えば『信長公記』にも「煙は雲霞の湧き上がる如く、無惨にも一山悉く灰燼の地と化した…数千の死体がごろごろと転がり、目も当てられぬ有様」などとあります。

ただ、近年の発掘調査によると、信長の焼き討ち当時、そもそも比叡山にそれほど多くの建造物があったわけではないそうで、イメージされているほど大規模なものではなかった、との説も提起されています。

少年の死は駒を「反信長」にするか

ドラマでは、春風亭小朝片岡鶴太郎の密談シーンがいやらしさ満点でしたね。ああいうのは好きです。焼き討ちの場面では、駒の薬を比叡山に持ち込んだ少年も斬られてしまいましたが、恐らく駒はそのことを知り(あるいは察し)、信長の反感を強めていくことになるのでしょう。十兵衛自身も、信長の処断に不満をあらわにしていました。

canarykanariiya.hatenadiary.jp

以前予想したように、駒は着実に「本能寺の黒幕」に近づいていっているように思えます。