かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
ブログランキング・にほんブログ村へ

『開戦と終戦―太平洋戦争の国際関係』(五百旗頭真、北岡伸一編)

開戦と終戦―太平洋戦争の国際関係

開戦と終戦―太平洋戦争の国際関係

少しさかのぼりま須賀、1997年に横浜で開かれたフォーラムの内容をもとにした本です。国際連盟脱退や真珠湾、降伏の決断など、「太平洋戦争の国際関係」と言われてイメージしやすいテーマから、ソ連の対日政策、日独関係と中独関係といったものまで多彩なテーマが扱われています。全体を通してどう、ということではないと理解していま須賀、個々の話が面白くてすんなり読めました。
『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン―朝鮮半島第二次核危機』(船橋洋一)を読んだときにも感じたので須賀、過去の外交構想や外交交渉の過程には、その後を知っている私が聞くとちょっとびっくりしてしまうようなものが多分に含まれています。それは実現しなかったからこそ後世を生きる人間にそうした反応を呼び起こすわけで須賀、それを当時、一定程度実現可能であるとみなしたり、またそうあるべきだと考える人がいたという事実そのものが、その時代のことを語っていたりもする気もします。「歴史にifはない」とはよく言われま須賀、どんなifがどの程度ありえたのかを知ることは、歴史を知る立派な助けになるのではないかと思いました。
まあ、具体的な歴史について述べた本を語るには凡そふさわしくない抽象論ですけどねwww