かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『西部戦線異状なし』

西部戦線異状なし [DVD]

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第一次世界大戦下のドイツや西部戦線*1の様子を描いた有名な作品です。前線と「銃後」の抜きがたい落差が浮き上がり、人的動員を重要な基盤とする総力戦のむごさを感じさせます。敵兵を殺めてしまった若い兵士の戸惑いと苦しみ、そしてそれを打ち明けた彼を慰める「仕方ない。戦争なんだ。どうしようもない」というセリフは、「なぜ戦争だと「仕方がない」のか、じゃあそう言わしめる戦争とは一体何なのか」という問いを鋭く突きつけているように思います。
そもそもを言えば、この物語が「西部戦線異状なし*2というタイトルを冠していること自体が大きな皮肉であり、やはり、人間を手段として用いる戦争(総力戦)の非人道性を雄弁に物語っているような気がします。

*1:独仏戦

*2:これがクライマックスの日の司令部への報告なんだそうで須賀