- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
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ヘッ!! じゃなくてヘップバーンの方のオードリーですよ? 特にローマに強い興味があったわけでも、グレゴリー・ペック演じる新聞記者に興味があったわけでもないので須賀*2、なかなかコメディータッチでもあり非常に面白く鑑賞することができました。
笑って見ながらも考えていたのは、この物語が背骨に持っている「貴人の下界体験」的な構図についてです。映画では、どこかの国の王女であるオードリー・ヘップバーンが公務に厭気が差して宿泊先を抜け出し、市井の人々が生活するローマの町を楽しむというあらすじになっているので須賀、この構図はどこかで聞いたことがあるような気がします。ディズニーの「アラジン」はそうでしょうし、私がいの一番に思いついたのは、双眼鏡で城下にかわいい町娘*3を見つけてその娘のもとへ走るバカ殿様でした。多分まだまだあるでしょう。
この「貴人の下界体験」のルーツは何で、どんな意味合いを持つのか。前者について私のような文化的教養のない人間が探そうとすること自体が愚の骨頂で生姜、後者についてはいくつか考えてみました。まずはこの手法で、何の変哲もない町の風景でアドベンチャーを描くことができることです。この時貴人は、一人で町に出たことがない「世間」知らずの存在とされ、彼/彼女にとってその世間は未知の世界に映る、ことにできます。
ただこれだけならバカ殿様のような貴人ではなく、変なおじさんのような奇人にでも成り立つ話ではあります。そこでもう一つとなると、「身分違いの恋」という、「ロミオとジュリエット」につながりかねない悲恋的な要素というものがあるでしょう。これは結末が悲恋そのものにならなくてもいいように思います。アラジンはそうですよね。ローマの休日については、もちろんここではコメントしませんが…
あともちろんのことで須賀、王室の恋というのはある種のあこがれの対象としてなど、人々の耳目を集めるものなのでしょう。その上でかなり穿った見方と言われるかもしれませんが、市井の一般市民と恋に落ちる王室の貴人の存在が、その市井の人々に王室への親しみを感じさせるのならば、この「貴人の下界体験」のルーツ(あるいは歴史)も、そうさせるモチベーションという少なからず政治的なものと無関係ではないのかもしれません。