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取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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思いつくことなど 〜民主党代表選と関ヶ原の戦い&西南戦争

幹事長人事が難航 川端氏固辞 岡田氏軸に調整、前原氏も浮上  
菅直人首相は15日、民主党代表再選に伴う党役員人事と内閣改造に向け調整に入ったが、枝野幸男幹事長の後任人事をめぐり難航している。首相は当初、川端達夫文部科学相の起用を検討したが、川端氏が固辞。首相は岡田克也外相を軸に調整し、前原誠司国土交通相の起用も浮上するが、いずれも小沢一郎前幹事長に近い勢力が強く反発。16日の党役員人事、17日の内閣改造が先送りになる可能性も出てきた。
一方、首相は仙谷由人官房長官野田佳彦財務相蓮舫行政刷新担当相を留任させる意向を固めた。玄葉光一郎政策調査会長も留任の方向。鉢呂吉雄元選対委員長を要職での起用を検討するほか、山岡賢次副代表を農水相での起用も浮上している。藤井裕久財務相を内閣参与などに起用する案もあるが、藤井氏が難色を示している。
首相は国連総会に出席するため21日から訪米を予定しており、15日中に幹事長を決め、17日までに党役員人事と内閣改造を終える方針だった。10月上旬に臨時国会の召集を予定しており、新体制の下で新成長戦略に基づく補正予算案策定を急ぐ必要があるからだ。
首相は15日午前から鳩山由紀夫前首相、前原、岡田、小沢3氏の代表経験者と相次いで会談、「女房役の仙谷氏は留任させたい」などと人事構想を説明し、理解を求めた。小沢氏との会談は10分足らずで終わり、小沢氏はポストを求めなかったとみられる。
また、首相は、党重鎮の横路孝弘衆院議長、西岡武夫参院議長、渡部恒三衆院副議長らと会談し、挙党態勢に向け協力を求めた。
だが、「脱小沢」を主導した仙谷氏が留任するなど代表選で首相を支持した勢力が主要ポストを占めることに対し、小沢氏を支持した勢力が反発。首相は15日夜、小沢氏と近い輿石東参院議員会長と都内のホテルで会い、打開策を探った。
これに先立ち、首相は、内閣改造・党役員人事について「代表経験者ら多くの方から話をいろいろと聞いている段階であり、これを参考にして考えたい」と述べた。首相官邸で記者団に語った。
(9月16日、産経新聞)

今回の民主党代表選を見ていて蓮舫連想したのは、関ヶ原の戦い西南戦争という日本史上の二つのできごとでした。関ヶ原で戦った両陣営の顔ぶれをみると、この戦いの構図は豊臣VS徳川ではないどころか、反徳川VS反石田とでも言うべき様相を呈していました。我関せずという立場が許されにくい状況下ではそうなりやすいので生姜、「反○○」や「脱○○」といったことが対立軸になると、後が大変だったりします。そもそも反徳川の西軍は裏切りを受けて負けてしまったわけですし、豊臣恩顧ながら石田三成憎しで東軍についた加藤清正福島正則はどうなったかというと、両家とも徳川幕府成立30年を待たずして改易されています。「脱小沢」色の強い陣容で勝利した菅さん。関ヶ原のように石田三成を打ち首にはできないので、小沢さんを支持した人達をどう処遇するかという難しい問題もありますし、そこが焦点になっているようで須賀、その「脱小沢」の期待にどれくらい応えられるか*1という点も含め、「脱小沢派」をいかに「菅派」に結び付けていけるのかというのは一つの課題と言えましょう。
西南戦争は、政府が鹿児島にあった弾薬などを運び出そうとしたことに西郷隆盛門下の私学校生徒らが反発し、これを実力行使で奪ったことが直接的原因の一つと言われています。これがなかったら西南戦争がなかったかどうかは今私には論評できませんが、たとえ西郷が腹の中で何を考えていたとしても、私学校の生徒がこの実力行使に出たことで、このタイミングでの蜂起を決断せざるを得なくなったとは言えるのではないでしょうか。このように、ボスが周りのしつらえた神輿に乗らざるを得ない状況があったとすれば、今回の小沢さんの動きというのはそこから考えられる部分もあるように思います。出馬の決断にもその側面はなかったでしょうか。そういえば山岡さんをはじめ複数の議員が、小沢さんの出馬を促すような動きをしていました。
ただ、私が言いたいのはこれまでの行動ではなく、これからの行動です。それこそ今後の人事で小沢さんが、と言うより一新会幹部など彼の取り巻きが「冷や飯を食わされた」と怒るようなことになれば、小沢さんの意図とは別に取り返しのつかない行動をとり、結果小沢さんが蜂起せざるを得なくなってしまう(と判断する)可能性はないとは言えません。人事面などでの処遇を奪われた一新会幹部が、弾薬を奪われた私学校生徒になるのではないかという妄想が、どうしても私の頭をよぎるのです。さらに言えば、「壊し屋・小沢は党を割るのではないか」という党内の雰囲気が、ある種予言の自己成就的に作用していくことも考えられます。
歴史は繰り返す、という言葉はあまり好きではありません。陰謀論もそうですけど、やはり未来をあらかじめ決められたもののようにとらえる考え方はどうも生理的にダメなようで、これまで投票に行かなかったことがないのもその辺の感覚があるのかもしれません。なんだかんだ言ってオプティミストですねww
それはともかくとして、歴史は繰り返すと思っていない私がなんでこんなたとえ話をグダグダしたかというと、人間が行うものとしての政治における心理と行動を考えるという面において、過去になされた政治的決断や経過を思い出して、そこに何が作用していたのかを探ってみることは有益かなあと思ったからです。まあ丸山真男みたいなちゃんとした仕事にはなりませんが、思いついたのでww

*1:結局人事で小沢さんに配慮して、トロイカ+1と称して談合で代表選を避けた場合とそう相違なさそうな顔ぶれが出てきたら結構笑えますよねww