世の中に「万難を排して」とか「万障お繰り合わせの上」という言葉がありま須賀、まさにそれであって、これまでわずかなサラリーマン生活で蓄えたすべての権力を放出して、参加してまいりました。井上陽水40周年記念のツアーコンサートであります。
正直ここで何かを述べても、その語り手が私である以上、それがこのコンサートの論評にはならないと思います。それでも一言言うなら、陽水先生は歌がうますぎです。コンサートを聴いている最中は「リバーサイドホテルは圧巻だった」とか「ジェラシーも迫力があった」とか「やっぱいっそセレナーデでしょ」とか、そんな感想を抱いていたので須賀、結局ほとんどの歌が圧巻でした。個人的には、「氷の世界」で生ハーモニカを聴けた*1のには本気で感動しましたし、目の前でカナリアと連呼されると感じ入るところもありました。しかしまあ、これだけCDだなんだで聴いてきた井上陽水が、肉眼でばっちり見える位置にいるということを、会場でどこまで消化できたか自信がないというのが正直な感想です。
ちなみに一つ、スタンディングオベーションについてなんですけど、あれは「前の人が立ったから自分も立たないとステージが見えない」という側面もかなり強いんじゃないかと思いましたね。ある曲での立っている人の分布が、まさにステージから放射線状に広がっていたのにはある種の感動すら覚えましたし、そもそもステージ上の井上陽水とも、ましてや隣でノリノリのおばさんとも、曲を通じた一体感を感じようと思わなかった私をして席を立たしめたのはただ一つ、「ステージの陽水が見えないから」であったのでした。
さてさて、ここからがネタバレの本番であります。
<演奏曲目>
- Happy Birthday
- 青空、ひとりきり
- 闇夜の国から
- Make-up Shadow
- とまどうペリカン
- 断絶
- 帰れない二人
- カナリア
- 飾りじゃないのよ涙は
- リバーサイドホテル
- ジェラシー
- 新しいラプソディー
- 移動電話
- クレイジーラブ
- 限りない欲望
- 氷の世界
- 最後のニュース
- 少年時代
- アジアの純真
- Love Rainbow
- 夢の中へ
- いっそ セレナーデ
*1:しかもそのハーモニカを客席に投げた!