かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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「朝日新聞ノート」

同じはてなダイアリーに「聖教新聞ノート」さんというブログがあるのでそれのパロディということでよろしくお願いしますw ちなみに継続的にやるつもりはないよwww

畠山容疑者、小1殺害認める供述 「1人でやった」 (2006年06月09日06時07分)
秋田県藤里町の町立藤里小1年米山豪憲君(7)が殺害された事件で、県警捜査本部は8日、無職畠山鈴香容疑者(33)=死体遺棄容疑で逮捕=が取り調べに対し、「豪憲君を自宅に呼び入れて、首を絞めて殺した。その後、草むらに放置した。1人でやった」と、殺害を認める供述を始めたことを明らかにした。公判で証拠として提出できる調書として記録されたという。捜査本部は死体遺棄容疑の立件後、殺人容疑についても立件する方針だ。
豪憲君に対しては「手を合わせて拝みたい」と謝罪の言葉も述べている。捜査本部は今後、凶器や動機、4月に長女が水死した件との関連について、詳しく調べる方針だ。
畠山容疑者は、4日に逮捕された前後に、「首を絞めた」「あやめた」などと、いったん殺害をほのめかす供述をした。その後は「外出先から帰ってきたら、豪憲君が死んでいた」などと、第三者が殺害したような供述をしていた。死体遺棄容疑については、逮捕時から一貫して認めていた。
能代署捜査本部が8日夕に説明したところによると、畠山容疑者はこの日午後、警察医による診断が終わった後に、大声で泣きながら殺害を認め始めた。
「5月17日午後3時半ごろ、豪憲君を藤里町の自宅に呼び入れて、首を絞めて殺した。その後、遺体がみつかった能代市米代川沿いの草むらに、遺体を放置した。ランドセルと帽子は投げ捨てた。1人でやった」との供述をしたという。
首を絞めるのに使った凶器や、殺害の動機についてはまだ語らず、4月に長女彩香さん(当時9)が水死した件との関連についても話していない、としている。県警は長女の件をいったん「事故死」と判断したものの、豪憲君の事件を受けて再捜査している。
畠山容疑者は取り調べ中、疲れなどを訴えることがあるため、捜査本部はたびたび調べを中断し、休憩をとらせたり、医師の診察を受けさせたりしていた。
精神的に不安定な面があり、供述が揺れた経緯があるため、捜査本部は「今日は殺害を自供したが、明日になったらどうなるか分からない」としている。しかし、殺害についての供述が得られたことで大きな山場を迎えたと判断している。(アサヒ・コム)

ザルカウィ幹部を殺害 米イラク合同空爆(2006年06月08日22時38分)
イラクのマリキ首相は8日、イスラムスンニ派のテロ組織「イラクアルカイダ機構」幹部のアブムサブ・ザルカウィ容疑者を、米軍の空爆で殺害した、と発表した。同容疑者はイラクの政治プロセス破壊を目指して多くの無差別テロを率いてきた。04年の香田証生さん(当時24)殺害事件にも関与したとされる。米国政府は2500万ドル(約28億円)の懸賞金をかけていた。イラク駐留米軍は同日、同容疑者の遺体写真を公開した。
マリキ首相はバグダッドで記者会見し、「ザルカウィは終わった。今こそ団結する時だ」と呼びかけた。同席したカリルザード駐イラク米大使も「イラクと世界の対テロ戦争で大きな成功だ」と「戦果」を強調した。
しかし、バグダッドで5月だけで約1400人が死亡するなど治安悪化は深刻で、ザルカウィ容疑者の殺害が直ちに治安の安定につながるかは不透明だ。
イラク駐留米軍のケーシー司令官らの発表では、米軍はイラク治安部隊と合同で、中部バクバの北約8キロの地域で7日午後6時15分(日本時間同11時15分)ごろ、「ザルカウィ容疑者が、精神的指導者アブドルラフマン師とともにいる」との情報に基づき、民家に戦闘機2機から精密誘導爆弾2発を投下。遺体の指紋や容姿、体の入れ墨などから本人と確認し、DNA鑑定も行っているという。
米軍は8日、爆撃の映像を公開した。現場では2人のほかに、女性と子どもを含む身元不明の4人も死亡していたという。
イラクアルカイダ機構も同日、ネット上で「指導者は殉教者となった。今後も聖戦を続ける」との声明を出し、同容疑者の死亡を認めた。
ザルカウィ容疑者はヨルダン出身で30歳代後半とされる。高校中退後にアフガニスタンに渡り、国際テロ組織アルカイダビンラディン容疑者らと知り合ったといわれる。
米国は、03年のイラク戦争開戦前、パウエル国務長官(当時)が国連安保理で「ザルカウィイラクに潜入した」と発言。イラクの旧フセイン政権とアルカイダを結びつけ、開戦正当化の理由のひとつとした。
ザルカウィ容疑者らはスンニ派の厳格な教義解釈に基づくイスラム政権の樹立を訴え、イラク政治プロセスを否定。外国人やシーア派市民の拉致・殺害を繰り返した。人質の首をナイフで切断する残酷な映像をネット上に公開。昨年11月には、ヨルダンのアンマンで起きた連続自爆テロで犯行を認めた。
同容疑者の肉声が伝えられることはほとんどなかったが、今年4月に初めて、自らネット上で映像を公開した。
*1(アサヒ・コム)

新聞の紙面割り付け(整理)とは、彼らが彼らの判断によってニュースバリューを提示することです。何が一面トップであるかのみならず、行数や見出しの大きさなどにも各紙が何を重要なニュースと考えるかが現れています。ですからこの意味でも、報道に報じる側(現場記者や編集者)の主観が現出するのは当然のことであり、厳密な意味における「客観報道」は不可能であると言えるでしょう。その点今のインターネットニュースというのはタイトルが(基本的には)時系列・分野別で並んでいるため、この機能は少ない。ここにニュースの媒体としての新聞とインターネットの質的な相違*2があるのです…と去年の信毎インターンで整理部の方に聞かされ、生姜先生の模擬面接(藁)で言ったわけで須賀w
…とまぁそんな話を頭の片隅に置いておいていただきつつちょっと考えていただきたいんで須賀、先に挙げたこの二つのニュース、どっちが朝日の一面トップだったと思います? 答えは前者。秋田小1殺害事件関連のニュースでした。と言ってもスペースや写真の大きさ*3などから見ると、むしろ後者のほうがインパクトがあるように見えなくもないんで須賀。そう見るとした時にね、いいですか、確かにそこに編集者の苦悩(?)を見なくもないで須賀、やはり個人的には逆だったんだろうと思うんですね。もちろんこれでイラクが平和になるだなんて誰も思っていないでしょうし、その意味では「とあるテロリスト集団の有力者の死」でしかない*4という見方も可能です。ただ、この殺害でアメリカ・イラク新政府はフセイン拘束の二番煎じをやろうとしたこと、そして彼の遺体写真が米軍によって公開されたというダブル・スタンダードや「容疑者」が「拘束」ではなく「殺害」されたこと、さらには先述したようにこれでイラクが平和になるなんてことはない、ということを伝える意味でも、こちらに高いニュースバリューを認めてこその朝日新聞wwwだと思うんですけどねぇww
ただ、ここまでの議論で積み忘れていた視点があります。そう、「読者」不在の議論ですよね。「何を伝えるべきか」ということも確かに大事だが、「読者が何を求めているか」ということも無視できない。そしてまたそれを、彼らが企業だから、という一点に還元するべきでもないでしょう。一方的に独善的な正義感で騒ぎ立てても仕方がありませんからね。でもこの「読者」って誰なんでしょうか? 新聞論の先生*5は「中流意識を持っていて今日明日の暮らしにはとりあえず困っておらず、みんなが知っていることは知っておかないとと思っているような人達」というまさにどこに目鼻がついているのかというような*6「読者」像を開陳していらっしゃいましたが、もしそれが各紙のコンセンサスに近いものであればそれはちょっと怖い気がします。ぶっちゃけ何とでも言えるような曖昧模糊とした「読者」像に恐れ擦り寄り*7、喜んで読まれそうな記事ばかりを書き、大きく扱う。そうすれば部数も伸びますからね。でもそれは、彼らが言論機関を自称する限りにおいて好ましくないというのは言うまでもないことでしょう。
じゃあターゲットとする読者層を絞って、フランスのル・モンドみたいに高級紙化するのが必ずしもよいとは思いませんし、それが望まれてもいないと思います*8。ならどのような「読者」像が想定されるべきか、これはまだまだ勉強していかねばならないと思っていま須賀、少なくとも新聞が自らこしらえたのっぺらぼうの「読者」像という信仰に紙面が回収されていかないように、という心配をしながら読んだ今日の新聞でありましたとさ。

*1:イタリック部分は9日の朝刊にはなかった箇所です

*2:もはや量的な相違について言及する必要はありませんね

*3:ザルカウィ写真デカスwww てか前者の事件の容疑者の写真にニュースバリューがあるとは私には到底思えない件について

*4:これは突き詰めて言えばビンラディンにもいえることなのでしょう

*5:この人は毎日新聞の人なんですけども

*6:本人もそうおっしゃっていたが

*7:無視しろと言う気はないが

*8:「みんなが知っていることは知っておかないとと思っている」人が多いのは事実でしょうから。ただそれをテレビでなく新聞に求めているかというと…