- 作者: 中川恵一,寄藤文平
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2011/05/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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中身を極めてかいつまんで言ってしまえば、今回の福島第一原発事故に関しては、(原発の状況が急変しない場合、原発作業など特別な状況に置かれていない人が)最も考慮すべきは「100ミリシーベルト以上の被曝線量で発がん率が最大0.5%ほど上がる」リスクであり、それと他のリスクやコストとの釣り合いを考えながら、避難の有無など最適な対策をとるべきだ、というものです。先月福島に行ってきた時にこんなことがちょっと頭をよぎったりもしたので須賀、今の私が案ずべきはセシウムよりもアルコールであるということがよくわかりました。
ただ一つだけ言わせてもらうと、「『100ミリシーベルト以下の被ばく線量ではがんが増えるかどうかわからない』というのが本当のところです」「100ミリシーベルト未満の蓄積による『発がん』のリスクについては、科学者の間でも、一致した見解が得られていません」などとしながら、一部解説イラストなどに、この基準を下回れば「危険性ナシ」とのような表現がなされているのはどういうことなのでしょうか? 確かに「年間の屋外の自然放射線量が平均4ミリシーベルト、高いところでは70ミリシーベルト*1に達する地域での疫学調査でも、特にがんは増えていなかった」などという研究も紹介されてはいるので須賀、本としても「正しく怖がる」を掲げているわけですし、分かりやすい部分こそ「正しく」表記してほしいものです。
この本は今日の夕方、珍しくこんなもの
Newton (ニュートン) 2011年 07月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2011/05/26
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