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取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント (朝日新書)

情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント (朝日新書)

朝日新聞東京本社の編集局長である著者が、自身の新聞記者としての経験や記者論を交えながら「情報のさばき方*1」のポイントを論じた本、というよりは、注にある三段階における記者の行動原則を論じ、一般化抽象化が可能な部分についてはそれを試みた、という本です。ですからより一般的な意味での「情報のさばき方」、つまりたとえば「IT時代の情報の海の中でどのように情報を選別・取捨選択していくか」というような問題意識からこの本を手にとっても、恐らく「即戦力」にはならないでしょう。もちろん新聞記者というのは情報をさばくプロですし、この本が示唆してくれることは多くあるとは思いま須賀、あくまでもそれは「示唆」でしかなく、彼が一部で試みているようにもう一段階の一般化が必要なんだろうと思います。
その一方で、記者という職業やその営みに興味のある人にとってはなかなかに面白い、そして勉強になる内容を多く含んでいます*2。発信のところの「文章の三つの要素」の部分なんかはそれぞれの要素の定義があやふやで、それがモデルとしてどのくらい意味があるのか疑問だったりもしま須賀、他では概ね内容もバランスもしっかりした議論がなされていると思います。昨夏のインターン*3で聞いた内容とオーバーラップする部分も少なからずありましたし、そういった意味ではためになった本、ということになるのでしょうか。

*1:収集、分析・加工、発信の三つに大別されています

*2:まぁ著者ももともとはそれを意図していたらしいんで須賀

*3:そういえばこの人最終日にしゃべりに来てましたねwww