かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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<参院選>与党過半数割れを議会制民主主義の成熟に!

http://www.taro.org/2010/07/post-785.php
たまたま拝見したので。
ここで私が重要な指摘だなあと思うのは、「与党の出す法案を修正しないで数で通すというばかな議会からようやく一歩前進した」という部分です。筆者の河野太郎氏は自民党の代議士でありまして、これが民主党政権の議会運営のみへの批判なのか、あるいはこれまでの日本の議会のあり方までをも含んだ言及なのかは、この記事のみを読む限りでは判然としません。ただ、今回の参院選で与党が参院過半数を失い、かつ衆院での再可決に必要な3分の2以上はもともと確保していないのは事実なわけで、爾後まさにいわゆる変換型議会としての性格が前面に出てくることが予想されます。そうなれば、というよりはむしろそれを好機として、議会の各勢力や各議員が是々非々の態度で政府に臨む。そうあってこそより多様な意見を反映できる「議」会たりうるのではないでしょうか。なので私は、「ゲートキーパー論」を言いだしたみんなの党や、昨年衆院選での三党合意を重視し、社会保障分野での与党への協力は否定しない社民党議会に対する姿勢には評価*1こそすれ、新たに参院過半数or衆院3分の2を満たすため連立を組み直すとか、誰かさんの剛腕で他党に手を突っ込むというような事態は避けるべきであると考えます。日本の議会制民主主義の成熟のためのよい試練なのではないでしょうか。
ついでに言うと、民主主義はベターでしかないというのも河野氏に同意です。ベストを求めるのなら自分が出るべきだというのは筋論としては間違っていないと思いますし、さらに言えば、そのためには「選挙に出る」ことに対する経済的、社会的障壁を引き下げる必要があると思います。

*1:彼らの個別具体的な政策の是非について論じているのではありません