かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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ネタバレは意識せずに書いたが多分大丈夫と思われる「崖の上のポニョ」

仕事をしながら「崖の上のポニョ」を見ました。後半の話の展開がやや唐突な気がしましたが、面白く見ることができました。
職場でも「テーマは自然との共生だ」みたいな話になって、そのこと自体に異議はないので須賀、そこで満足してこじつけを止めるのは面白くない。といいつつこの議論に結論なんてないんで須賀、一つ興味深かったのは、ここで語られている「自然との共生」という考え方が、かなり言葉の本来の意味に近いものを指しているのではないかということです。
一般的かつ教訓的には、「自然との共生」という話になると、自然の圧倒的な強さと寛容さが示されることで、実質的に人間が自然を否応なく見直し、畏敬の念を抱くことを意味することが多いように思います。しかし一方で、自然は宗助の住む街を水浸しにしながらも、ポニョは宗助のことが大好きで、ポニョの父親もあくまで人間世界に対抗する「ヒール」ではない。最後に一連の騒動について宗助に謝っていさえするのです。また宗助もその母も彼らと実に友好的に接していくわけで、それらの意味において、この作品には原義に近い意味での「自然との共生」を感じさせるものがあるように感じました。またポニョがかわいらしくもその象徴としての役割を果たすわけです。