かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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前回の話の続きや、オバマ氏が民主党の大統領候補になった話も是非書きたいので須賀、今日はこの一本で…

秋葉原通り魔歩行者天国の交差点で悪夢 加藤容疑者、横断歩道の歩行者はね、降車して次々に刺す
8日午後0時35分ごろ、東京都千代田区外神田4の秋葉原電気街の交差点で、2トントラックが歩行者数人をはねた。運転していた男が車を降り、持っていたサバイバルナイフで歩行者らを次々に刺した。警視庁や東京消防庁によると、7人が死亡し、10人がけがをした。男は駆け付けた警察官に現場近くで取り押さえられ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
男は、静岡県裾野市に住む加藤智大(ともひろ)容疑者(25)で、刺したことを認め、「人を殺すため今日、静岡から秋葉原に来た。(襲うのは)誰でもよかった」「世の中が嫌になった。生活に疲れた」などと供述しているという。警視庁は、通り魔事件として万世橋署に捜査本部を設置した。
警視庁によると、けが人には、万世橋署交通課の男性警部補(53)も含まれている。死亡したのは男性6人(19、20、29、33、47、74歳)と女性1人(21歳)。けがをした10人は男性8人、女性2人。
調べでは、トラックはレンタカーで、静岡県沼津市内のレンタカー会社営業所で8日午前8時から午後8時までの契約で借り出されていた。現場付近は、歩行者天国で日曜日とあってかなり混雑していたという。
複数の目撃者によると、トラックが通行人をはねたのは、歩行者天国となっている南北の通り(中央通り)と、車の通行が可能な東西の通り(神田明神通り)が交わる場所。トラックは、神田明神通りを西から東に向かって通過する際、横断歩道を渡っていた歩行者らをはねた。
トラックは数十メートル先で止まり、ベージュ色のジャケットを着て眼鏡をかけた男がトラックを降り、手にナイフを持ちながら交差点方向に歩いて戻ると、駆け付けた警察官に切りつけた。前後して、歩行者らに馬乗りになるなどして刺したが、男はその際、「ワー」「キャー」などと叫んだり、笑いながら追い回していたという。
拘束された様子を見ていた男性店員によると、男は中央通りを南に向かって逃げた。制服を着た警察官が追いかけ、通りから30メートルほど入った狭い路地に追い詰められると、無言でナイフを振り回し、警察官が警棒で応戦。警察官が拳銃を取り出すと、男はナイフを路上に置いた。その瞬間に、警察官を含め周囲にいた数人が上に乗り、取り押さえたという。 (6月8日、毎日新聞)

本当に痛ましい事件で、春から事件現場に行くということを始めた私としては、この現場がどれだけの混乱だったか想像できないほどの惨状だったろうことが想像できます。亡くなられた方のご冥福と、怪我を負われた方のご快復をお祈りしています。
ただ一つだけ言いたいのは、犯行現場が「秋葉原」というメディア的(というより「マスコミ的」)には特殊とみなされやすい場所であるがゆえに、その場所と関連するような予断が先行し、事件についての理解を独占してしまうことには注意せねばならないということです。確かにいくつもある街の中から秋葉原を選んだことは事実なのでしょうが、少なくとも現段階で「誰でもよかった」と話しているという彼に、果たしてどのくらい大きくて確固たる「アキバを狙う理由」があったのでしょうか。逆にないとも言えないことは承知していますが、場所が場所だけにそこには慎重でありたいと思っています。
恐らく今後、彼の前歴やパーソナリティについてあれこれと報じられることになるのでしょう。実際「こんなアニメが好きだった」なんて話も既に出てきているようです。それでもここは、そういった趣味と犯行を安易に結びつけることは自重すべきなのではないでしょうか。もしマスコミが「報じることで事件の真相に迫る情報を提供する」ことを、特定の人物のプライバシーを暴く錦の御旗にするなら、こうした安易な方向に収斂することは事件の背景にある(かもしれない)ものを見つめる目を曇らせるばかりか、やはりマスコミ報道なんてのは興味本位なんだと思われるだけのような気がします。
canarykanariiyaを知る友人「ああ、canarykanariiyaならよく知っていますよ。あいつは中学の頃から信長の野望ばかりやっていたみたいだからね。やっぱりああいうゲームをやっていると、人を殺すことに抵抗がなくなってくるんでしょうね。それにしても、本当に怖い世の中になりましたね」*1

*1:とってつけたようなこういうコメントは好きではありませんが、コメントを取る現場も指示する上司も、往々にしてこの種のベタさを求める傾向があることも事実だと思います