- 作者: 芦部信喜
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/26
- メディア: 単行本
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この本は確かに法律を学ぶ人向けの憲法の教科書なので須賀、法律書としては(多分)比較的平易に書かれており、門外漢の私(笑)にも読みやすい一冊でした。
憲法は条文だけで憲法なのではない。近代憲法を支える立憲主義をはじめとする憲法理論の上に、実定法としての憲法が存在し、さらにそれを補い、現実の問題と結びつけていく営為として判例・学説がある。それらの総体*1が実質的な意味での憲法なのだということを、日本国憲法をめぐる諸論点を追いながら感じることができました。これから憲法を論じていく上では、知識の前提というよりは、憲法とそれをとりまく営為を感覚として掴む意味において有益な本だと思います。いや、別に内容がどうでもいいとか言いたいんじゃなくて、憲法ってどんなもので、その憲法をめぐってどんな議論が交わされてきたのかを感覚として理解することも大事なんじゃないかってことですw
*1:もちろん一部の法律も含みます