かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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憲法 第三版

憲法 第三版

泣く子も黙る(笑)芦部憲法の第三版です。著者の死後の判例などについても高橋和之氏が補訂をしているので「古い本」ではありませんが、第三版の出版以降にこの本に補われるべき法改正や制定がいくつかなされていますので、興味のある方はそれにあわせて(?)今年の春に出版された第四版の方を読まれるといいかと思います。ま、興味ないかwww
この本は確かに法律を学ぶ人向けの憲法の教科書なので須賀、法律書としては(多分)比較的平易に書かれており、門外漢の私(笑)にも読みやすい一冊でした。
憲法は条文だけで憲法なのではない。近代憲法を支える立憲主義をはじめとする憲法理論の上に、実定法としての憲法が存在し、さらにそれを補い、現実の問題と結びつけていく営為として判例・学説がある。それらの総体*1が実質的な意味での憲法なのだということを、日本国憲法をめぐる諸論点を追いながら感じることができました。これから憲法を論じていく上では、知識の前提というよりは、憲法とそれをとりまく営為を感覚として掴む意味において有益な本だと思います。いや、別に内容がどうでもいいとか言いたいんじゃなくて、憲法ってどんなもので、その憲法をめぐってどんな議論が交わされてきたのかを感覚として理解することも大事なんじゃないかってことですw

*1:もちろん一部の法律も含みます