かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
ブログランキング・にほんブログ村へ

風林火山

上田原の合戦でした。板垣信方甘利虎泰の両老将は勝算の危うい戦の被害を最小限にとどめるため、板垣は先鋒として決死の前進を敢行し、甘利は単身敵の本陣に乗り込んで村上義清に斬りかかろうとします。結果甘利は失敗して捕らえられ、うまく逃げ出したものの背後から矢を射られて戦死、板垣も村上の総攻めに対して大立ち回りで奮戦したものの敢え無く戦死してしまいました。
という今年の大河ドラマ的にはちょうどターニングポイントとでも言えるような今回の放送だったんで須賀、なんにせよ大きく作りすぎた感は否めませんよね。甘利・板垣の両将はもちろん少なからず「死にに行った」わけで、まぁそれが「諫死」としての意味を持つ話の流れなんで須賀、甘利の策は甘利あまりにも*1陳腐だったと思いますし、板垣にしても不自然といえば不自然でした。そして何より晴信役の市川亀治郎さんの、さすが歌舞伎役者というだけでは済まされないほどのオーバー過ぎる表情と、戦国無双を思わせるような板垣の大立ち回りっぷりを見ると、やはり今回は作り込みすぎたような気がします。でもそのおかげで泣かずに済みました。
ちなみに史実においては、どうやら板垣と甘利は諫死したわけではないようです。史実でも板垣は先鋒として村上軍に攻め込み、深追いしすぎたために戦死したのだそうで須賀、その状況についてちょっとおかしな話が伝わっています。先鋒として敵陣深くまで攻め入り、多くの村上勢を討ち取った板垣隊はその場にとどまり、板垣はあろうことかその場で首実検を始めた。そこに村上勢が押し寄せて板垣は討ち取られ、その援護に入った甘利までも戦死してしまった―そんな説が有力なようです。敵のすぐ近くで首実験をするなんて、信虎の代からの百戦錬磨の猛将であるはずの板垣らしからぬ大チョンボですし、そもそも当時は、大将以外の将が首実検をするなどということ自体が許されるべきことではありませんでした。この板垣の二つの意味での不可解な行動の真意については諸説あり、まさにその心中は板垣本人に尋ねるしかない部分も大きいので須賀、その説明としてよく言われるのは、板垣の晩年の耄碌説や、前後の度重なる驕慢な振る舞いによる家中での孤立説などであるようです。
なんか耄碌だとか驕慢だとか、大河での板垣からは甘利あまり想像できないような言葉が並んでしまいましたが、大河ドラマ大河ドラマとしてしっかりとお話を練り上げてくれているのでそれでいいと思います。まぁ「諫死」のラインは読めてたけどねwww

*1:失礼w