- 作者: 寒川旭
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/05/01
- メディア: 単行本
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一方で、地震と歴史の相互作用*1的な話も期待していた私としては、やや拍子抜けがしました。大災害後のパニック状態が引き起こした(もちろんそれだけのせいではない)悲劇というと、関東大震災後の朝鮮半島出身者への虐殺事件が有名で須賀、内管領・平頼綱が北条貞時に討たれたのもこうした状況下だったとか、安政江戸地震で「水戸の両田」と並び称された二家老を失った水戸藩が衰微したとか、そもそも天正地震で城や城下町ごと埋まってしまった内ヶ嶋氏理とか、恐ろしくも興味深い話はありましたけれども、もっとそういうアプローチがあれば読み物としても面白かったのかな、という気はしました。
それにしても、東南海トラフの連動地震が騒がれている理由については、この本を読んでようやく理解できた気がします。