かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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自民党の選挙戦略についてちょっとだけ

  • 別の土俵で「保守層固め」

「国旗切って民主党旗」首相指摘、鳩山氏陳謝 党首討論
麻生首相は17日の日本記者クラブ主催の党首討論で、今月8日に鹿児島県で開かれた民主党の集会で掲げられた同党の党旗が「日の丸を切り刻んで、上下につなぎ合わせた」ものだったと指摘した。民主党鳩山代表は「そんなけしからんことをやった人間がいるとすれば、大変申し訳なく思う」と陳謝した。
首相は支援者から寄せられた話として日の丸問題を取り上げ、「国家の象徴としての国旗を切り刻むようなことがあったと正直信じたくない」と批判した。つなぎ合わせられた日の丸の写真は民主党のホームページに掲載されていたが、17日午後に削除された。
首相は最近、街頭演説などで日本の歴史や伝統、国旗、皇室などの大切さを強調、保守層を意識した民主党批判を展開している。
(2009年8月18日、朝日新聞。斜体は筆者)

まさに斜体にした最後の部分であって、この現政権に対する強い不信感と政権交代への期待という空気の中で、一定数いると一般に思われている政治的保守層の支持を固めていく戦略を、今敢えて自民党が採っているという認識は恐らく正しいんだと思います。むしろ首相が8月15日に靖国に行かなかったのもまあ不思議といえば不思議なくらいです。ただこれ自体は選挙戦のアジェンダ・セッティングに関する戦略なんで、ここで良し悪しは言いません。じゃあ今一番大きなアジェンダと思われる「政権選択」をそれでひっくり返せるかといえば甚だ疑問ですし、首相自身にもそのつもりはないでしょう。鈴木貫太郎よろしく「負け方がある」ってことなんでしょうかねw
ちなみに中身についていえば、麻生首相鳩山代表のような価値観を持つ人がいることについてとやかく言うつもりはないです。ただ、市民がいて国家ができて、その結果国旗や「国民」という言い方が出てくるというのが近代国家なわけで、誰かがその国旗をチョキチョキやって工作に使っちゃったとかより、国家の意思で人が死ぬ死刑制度とかの方が、ずっと根源的で大きな問題だと思いますけどね。国旗が気になる麻生首相には、選挙戦でぜひそっちの問題も取り上げてほしいものです。

  • 「責任力」

前回総選挙以降、2年連続で自民党総裁たる2人の総理大臣が職責を投げ出しました。そして今の政権は、小泉改革の継続を訴えて得た議席を基礎にしながら、いつの間にか小泉改革の見直しを言っています*1。この党のどこに「責任力」とか「政権担当能力」があるんですかね? まぁ民主主義はベターの判断でしかありえないんで須賀。

*1:新大阪で博多行きと書いてあるのぞみに乗ったら富士山が見えてきたようなものです