かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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最近思うことをざっくりと

指定解除自体は時間の問題だったわけで須賀、こうなるといよいよ北朝鮮核問題のアリーナが六者から米朝に移ってしまった感ですね。事態の突破口として米朝が機能したことは評価されるべきなのかもしれませんが、六カ国協議の狙いにこの地域の平和構築というのが含まれるのなら、あまりバイの交渉だけが先行して、積み残しが出てしまうというのはよくないのでしょうね。やはり北朝鮮の核問題の根本的な要因を考えるなら、日米韓の「西側」との対立を抱えながら中韓国交正常化などの動きに対応できなかった、つまり北朝鮮外交が冷戦後の国際情勢の動きから取り残され、孤立してしまった*1ところにあるわけで、その部分を解決しよう、そのシンボルとして朝鮮戦争をちゃんと終わらせ、日朝、米朝を正常化しようというのが協議の一つの目標だったハズですし、そもそも核問題だけに限定しても、実質的に北朝鮮の核の最大の脅威に晒されている日本の頭越しに「双方の合意で検証」と言われても、何それって話になりかねないわけです。
ただこれは重村智計的に言えば、北朝鮮お得意の「振り子外交」なわけで、そうでなくても包囲網の一番弱い環節を狙うのは当然のことでしょう。ならばここは参加国がもっと歩調を合わせて、各国の問題を共有しながら、北朝鮮の非核化プロセスかつ東北アジア地域の平和構築プロセス、を進めていけないものかと思っています。
その中での拉致問題なんですけど、第一義的にこれは日朝間の問題であるわけなんで須賀、日朝の国交正常化も六カ国協議で合意されたプロセスに含まれる以上、もっと多国間の枠組みで検討されてもいいと私は思いますし、その働きかけは日本側にあってしかるべきのように思います。しかし現状では、拉致問題の進展がないことを理由にした日本の重油支援拒否は、徐々に強い風当たりを受けつつありまして、これまた六カ国で合意したことである以上、いつまでもこのままにはしておけないでしょう。福田前首相辞任で宙に浮いた調査委員会*2がしっかりした形で動き出すこと。それは日本としては是非とも勝ち取りたいところです。それこそ第三者の協力を得るなんてできないのかしら?

麻生内閣の顔ぶれや首相の国会でのしゃべり口なんかを見ていると、率直なところ「この人ホントに総理になりたかったんだな」と実感します。他に目玉のないオレ様内閣を組んで毎日豪華な食事を食べ、国会ではカッコつけて「○○であります」なんて答弁しちゃってるわけで須賀、「若者に支持されるアキバ系」はもうやめたのか、人気取りの手段でしかなかったのかと勘ぐりたくなります。
で、いつ解散かという話なんですけど、追加経済対策を含めた審議日程や内閣支持率、各党の思惑といった部分からの議論は盛んで須賀、この際分析のレベルを変えて見てみるのも面白いのではないか、と愉快犯的に考えてもいます。つまり、国会制度や世論の動向といった、システム的あるいは(永田町から見れば)外的な環境から解散時期を探るだけではなく、解散を巡って権力を行使しているアクター、特にそれを個人レベルで探ってみるとどうなるかなということです。そろそろオチを言いますと、麻生首相はまだまだ総理でいたいんじゃないか*3。結局解散するかしないか決めるのは彼なんですから、党の損得勘定に基づく冷徹な状況判断だけで全てを決めるという読みも冷静さに欠けるんじゃないかという気がしなくもありません。一回目の支持率があまり高くない、とおっしゃる方も多いようで須賀、内閣成立後即選挙のように言われる中で行われた世論調査の結果と、福田さん(笑)なり安倍さん(爆笑)なりがいわゆる「ご祝儀」でもらった支持率とは同列に論じられないと思います。だからきっと大丈夫ですよ、麻生さん!www
そう言えば最近の民主党の態度が、五丈原で仲達をしきりに挑発する孔明に見えてなりません。

*1:孤立すれば核を持っていいなんてロジックはもちろん成り立たないわけで須賀w

*2:北の戦略としては気持ちは理解できま須賀、外交的に通る話ではないでしょう

*3:別に選挙やると負けると決めつけているわけではありません。ただ、そのリスクは厳然と存在します