かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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改正教育基本法が成立=59年ぶり見直し−自公の賛成で−内閣不信任案は否決
政府・与党が臨時国会の最重要課題と位置付けていた改正教育基本法が15日夜の参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。同法改正は1947年の制定以来初めて。教育目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」との表現で「愛国心」を盛り込んだ。政府は今後、関連法令の抜本見直しに着手し、教育改革を本格化させる。
安倍晋三首相は同日夜、改正法成立を受け、「新しい時代の教育の基本理念を明示する歴史的意義を有する。教基法の精神にのっとり、品格ある美しい国をつくれるよう教育再生を推し進める」との談話を発表。また、記者団に「子どもたちにとって学校が楽しく、安心、安全な場所で、だれもが高水準の学力と規範を身に付けることができるように全力を挙げたい」との決意を示した。
これに先立って開かれた衆院本会議では、不測の事態による改正法廃案を警戒した与党の申し出を受け、今国会の会期を19日まで4日間延長することを議決。続いて、野党4党が共同提出した安倍内閣不信任決議案が採決された。民主党菅直人代表代行は趣旨弁明で、タウンミーティングでの「やらせ質問」や高校必修科目の履修漏れ問題などを挙げ、「偽の改革を継承する安倍内閣は信任できない」と訴えたが、自公などの反対多数で否決された。 
(12月15日、時事通信)

ついに成立してしまいましたね。愛国心を教育の場で押し付けることがいかに無茶で危険なことか、安倍首相はあるいはどのくらい自覚的であるのでしょうか。そもそも何を愛せだの何が美しいだのということは押し付けるべきことではないし、しかもその対象が圧倒的な暴力装置を持ち、そして時代と場所を問わず実際に暴力を振るい続けている国家だということを考えれば、それがどのくらいナンセンスでかつ危険なことかは分かるはずです。まぁ本当に日本の国が愛おしくてたまらない人を止める気はないですし、それは尊重すべき一立場だと思います。ただ逆も然りですよね。
確かに今更ここで愚痴を言っても仕方がないので最後に一つだけ。いじめの問題もタウンミーティングでのやらせも大きな問題だと思いますし、総理大臣としての給与を3ヶ月カットしたところで何のつもりなのか正直よく分かりません。ただ、愛国心や教育における国家介入の問題について、今回の政府与党の方針に対して真正面から反対するような勢力が国会の中に少なすぎること、もっと具体的に言えば「二大政党の一翼」を自任する民主党がその点に関して与党案とほとんど変わらない*1ような案を提示したことは、そうなるだろうとは分かっていながらもとても残念でした。
昔何かの本の中で、「アメリカの二大政党制は、両翼が右側についたまさに怪鳥である」という誰かの発言の引用があったのを思い出しま須賀、今回の件を見る限り日本もまさしくそうであって、今の政界のある種の不健全さをよくあらわしていると思いました。
P.S.今回の記事引用は時事通信にしました。朝日のも見たけどありゃ使えんわねwww

*1:もっとひどいw