かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『2030年の広告ビジネス』(横山隆治、栄枝洋文)

 

2023年時点で、30年の広告ビジネスを展望する本です。著者が通じる広告代理店業界目線の話が多めではありましたが、興味深い目線がいくつも得られました。例えば、

  • 今や代理店のライバルはコンサル会社であり、戦い抜くためには広告というアウトプットのみならず顧客の課題を理解してマーケティング戦略全体を立案していかねばならない
  • AIはクリエイティブ含め、いきなり広告やマーケティングの核心に入ってくる可能性がある
  • コネクテッドTVでの(YouTuberのチャンネルというよりは)高クオリティの番組視聴が広告ビジネスでも主戦場になっていく
  • 通り一遍の「軽いデータ」を大量に保有することは管理上のリスクも高める。しっかり同意をとって、よりその人の生活に重要なデータを活用すべき
  • マーケティングにおいて個々人に刺さるツボの多様化が進んでおり、「ファネル」や「双六」より、「ビンゴ」のように捉える方がよい

…といったところでしょうか。特に最後の2つはサブスクビジネスなどにも大きな示唆を与えてくれそうです。

新聞社のデジタルビジネスにおいても、サブスク収益と広告収益などを高い次元でバランスさせることが課題だとの認識が広がっています。広告ビジネス側の未来についても、常に目を凝らし続けたいです。