もうアル中と名乗るほど飲んでいるわけでもありませんが、実は焼酎自体について何も知らないなと思い至り、紐解いてみました。
「さつま白波」というゴツい芋焼酎で知られる薩摩酒造に長年勤めた著者が、芋焼酎を中心とした焼酎の製法や歴史を、東アジアまで視野を広げて論じた本です。
ごくごく簡単に言うと、日本酒・ワインなどの醸造酒を蒸留すれば米焼酎・ブランデーなどの醸造酒ができます。元々はそうやって米焼酎を造っていたようで須賀、米作に適さない南九州ではサツマイモを用いるようになりました。ただこれが蒸すと甘くなって腐りやすいことから、酵母が増殖した後にサツマイモを加える「二次仕込み法」を編み出し、また琉球伝来の黒麹を用いるようになったことで、明治後半ごろに現在の芋焼酎造りのベースが出来あがったとのことです。
沖縄・朝鮮半島・中国・台湾などの伝統的な酒造りについても紹介されており、私のように専門的知識のない「飲む専門」の人でも興味深く読めるポイントはあるのではないでしょうか。
著者は薩摩酒造を退職後、大学で「焼酎学」を教えるなどその道では著名な方だそうです。最初に触れたように、「さつま白波」は芋臭いイメージで敬遠していました*1が、今の四合瓶が空いたら買ってみようかと思います。
こちらの本も流し読みしました。