かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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探すのをやめたとき 見つかることもよくある話で/『思考の整理学』(外山滋比古)

 

非常に有名な本ですが、思考をどう熟成させ、整理し、結びつけていくかについての著者の実践や持論がエッセイ風にまとめられています。▽風呂・トイレ・寝床といった意外な場所でアイデアは生まれやすいので、それを忘れず書き留めておくべし、▽煮詰まったらわざと寝かせておくべし*1-などはよく言われることがありますね。これを単純に真似て成果を求めるということよりは、自分がものを考えるときの無意識の傾向に目を向けたり、それを洗練させていくためのちょっとしたアイデアのきっかけに使うということなのだと思います*2

興味深かったのは、一冊を通底する問題意識として「コンピューターにも負けない、自発的にものごとを考え発見できる力」を養うことの必要性が謳われていた点です。本書が出版されたのは40年ほど前で須賀、近年もまだまだ同種の議論が続いていることを考えると、コンピューターというものが人間の知、あるいは人間そのものに与えつつあるインパクトの大きさが感じられます。

canarykanariiya.hatenadiary.jp

*1:探し物もそうだという歌がありました

*2:著者もそう言っていました