デジタルがリアルを包摂する「アフターデジタル」時代のビジネスのあり方について論じた話題書です。アリババ、テンセント(やその系列の諸サービス)など中国での事例が多く紹介されており、「昨今の中国デジタル事情」を追っていくだけでも非常に面白いで須賀、この本の主題はそこではありません。
こうした企業が持つOMO(オンラインとオフラインを一体のジャーニーとして捉え、オンラインの競争原理から考える)の思考法を解説し、さらにはそれが目的ではなく、顧客に提供する価値を増大させるための手段であることを解き明かしていきます。実際にアリババのスーパー「フーマー」を見学した日本のビジネスマンは、フーマー同様の仕組みや無人店舗の導入自体に興味を示すことが多いそうで須賀、あくまでもミソはオンライン・オフラインの枠を超えて顧客の利便性に貢献することや、そのためのデータ収集にあることが強調されていました。
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よく言われることではありま須賀、データの収集や分析を自己目的化させないというのも重要な観点ですね。
日本企業のよい例・悪い例や、社内でどうやって変革を進めていくのがよいのかなどにも多くの紙幅が割かれており、読者の置かれている状況が違っても、それぞれに学びがある本だと思いました。