かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『韓国語の語源図鑑』(阪堂千津子)

 

一度見たら忘れない! 韓国語の語源図鑑
 

共通の語源や由来のある韓国語の語彙をまとめて紹介する本です。英語版も話題になったシリーズですね。

どの言語も、ある語彙にもともとあった意味に別のものがつけ加わったり、使われていくうちに意味がズレてきたりということは起こり得ます。その普遍性あるいは独特のありようを探るのも興味深いところで須賀、特に日本語話者にとって韓国語の語源や単語の構造を知る大きな意義は、やはり漢字由来のものを把握できる点にあるでしょう。

有名な話かもしれませんが、「会社」という語のスペルをひっくり返せば「社会」になる、なんてものはゴマンとあります。「アンニョンハセヨ?」も「安寧ですか?」なので、日本語表現として一般的ではありませんが意味は分かりますし、そのスペルを覚えれば表意文字である「安」と「寧」が他の単語に使われているのも発見できるはずです。

この特性を利用して、韓国語学習を進める人も多いそうです(私もそうでした)。この本ではむしろ、意図的に固有語(漢字に対応しない、より古いとみなされる語彙)の語源・由来を多く紹介していますが、ページをめくれば言い回しや慣用句の作り方の面でも日本語に通じる部分が多いことにも気付かされます。効率的な学習というだけでなく、知的好奇心にも応えてくれる一冊です。