【目次】
「変なおじさん」「バカ殿」などのキャラクターで知られるコメディアン志村けんの自伝です。
「真面目なおじさん」の仕事論
タイトルはもちろん、前述のキャラクターから取ったもので須賀、著者が自分自身を評した言葉でもあるそうです。しかし、内容を読み進めると出てくるのは、「番組づくりに際しては、放送時間内でのバランスやペース配分を十分考慮して組み立てている」「公開収録では客の反応を見ながら、常に内容を調整している」*1といった、至って真面目な仕事論でした。今風に言えば、毎週のドリフの放送を通じてPDCAを回し続けていたという話なわけで、非常に真面目なおじさんなんだなあ、と感心させられました。
「変なおじさん」だと笑ってあげたい
カトちゃんケンちゃんくらいからだったと思いま須賀、物心ついた時からよく見ていました。自宅には、バカ殿の目覚まし時計も置いてあります。食べ物を片っ端からミキサーに入れてしまうコーナーは非常に嫌でしたけど、ひたすらコミカルな動きや表情と、そして(人を馬鹿にするのではなく)自分がひたすら馬鹿をやってやろうという姿勢は好きでした。
世界的に流行している感染症による突然の死、ということもあって、著者の訃報はかなりの社会的関心を集めました。その分、哀悼し、遺徳を偲ぶ声も今なお大きいように感じられます。ただ、きっと故人は、それほどエラくてスゴい人だと思われることを望んでいなかったのではないでしょうか?それこそ「はははははーしむらけん。はははははー、どじじゃのー、ばかじゃのー、あーはらがいたい」(くりすあきらからの手紙)と笑うことが、今となっては最良の供養なのだと思っています。
*1:例えばこの両方の例に該当するのが「ヒゲダンス」だったりします