かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
ブログランキング・にほんブログ村へ

誰も追い込まれてない感/「西郷どん」第三十四話

第34回「将軍慶喜」|NHK大河ドラマ『西郷どん』
第二次長州征伐は幕府軍が負け続け、そのうちに将軍・徳川家茂が死んで軍事行動も中止されます。その後に将軍となった徳川慶喜はフランスに接近。四侯会議の失敗もあり、武力討伐に舵を切った薩長は京に兵力を集め始め、新帝からとする討幕の密勅まで手にしま須賀、それを察知した慶喜大政奉還という手に出たのでした。
誰が追い込まれているのか、状況が刻々と変わるのが幕末の政治過程の複雑さでありまた面白さであると思います。ただ、この放送回を見た印象では「誰がなぜ追い込まれているのかよく分からない」であり、「むしろ誰も追いこまれていない」感すらあったように思えてきます。
細かい政治過程を追うのに汲々として、大状況がどこにあるのかがはっきりしない展開でした。一番根本にあるのは、幕府が長州藩に実質的に敗れることでその弱体化ぶりを天下に晒したことだと理解しているので須賀…。あれでは、「幕府がフランスの援助を得るために薩摩を割譲しようとしていることに西郷が怒った」と解釈されても仕方がないですよね。本気でそこ狙いならかなりの新機軸ですけど。