第二十八回「勝と龍馬」|NHK大河ドラマ『西郷どん』
勝海舟・坂本龍馬と知遇を得た西郷吉之助は、一橋慶喜に命じられた長州征伐で戦わずして勝利を収めます。しかしその処置が気に入らなかった慶喜とは決別することになりました。
役者も揃い、鈴木亮平さんの顔つきも世の中が抱く「西郷さん」イメージに近いものになってきたように思います。ただどうもしっくりこないのが一橋慶喜で、彼自身がどういう理由で何を目指しているのか、ドラマを見る限りではよく分かりませんでした。なのでいくら役者が迫真の決別シーンを演じても、唐突な感じが否めないんですよね。何度も言っているように、政治過程とかその根底にある思想みたいなものをちゃんと説明しなければこうなってしまうのは明らかで、歴史好きはおろか、必ずしもそうでない人たちにも面白味に欠けるとみなされてしまうのはやむを得ない気がしてきます。正直、俳優陣が気の毒だったりもします。
次回は糸との再婚の話になるようで須賀、それ自体はいいとしても、ますます悪循環に陥る懸念はあります。