かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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シドニー旅行記二日目・ブルーマウンテンズ

電車の旅と絶景ポイント

この日は早起きして、午前7時半に宿を出発。細君の提案で、パンケーキを食べに行くことにしました。

ダーリングハーバー地区にある24時間営業のお店へ。

左上は焼き鮭のパイで、これがとてもおいしかったです。これで40ドルでした。その辺はオーストラリア価格でしょうか。
さて、そこから大急ぎでセントラル駅に舞い戻り、午前9時18分発の電車に乗り込みます。

行き先はシドニーの西約100キロにある世界遺産・ブルーマウンテンズ。ユーカリ林から発散される油が霧状になって漂い、山が青く見えることがあるのがその名の由来だそうで、「グレーター・ブルー・マウンテン地区」として世界自然遺産にも登録されています。全体の旅程上、さすがにエアーズロックというわけにはいかなかったので須賀、是非オーストラリアの自然を感じられる場所を、ということで出掛けることにしたのでした。
かとぅカトゥーンバ駅までは片道2時間の長旅です。3人でボックスシートに座っておしゃべりをしていると、小太りの白人女性が背後から寄ってきて、こう言います。
「Can you speak English?」
ここからはめんどくさいので日本語で話を進めると、彼女は、この車両は「quiet carriage」であるので静かにしなさいと注意しに来たのでした。確かに彼女の指さした先を見ると、「quiet carriage」の文字が。

知りませんでしたすみませんと謝って、その場は許していただきましたが、その後は結構気を遣ってビビって小声で話すようになりました。ただ、しばらく経ってから振り返ってみるともう彼女の姿はなく、フーコー的に言えば規律が内面化されたというか、三国志的に言えば「死せる孔明、生ける仲達を走らす」というか、そんな状態の家族3人でありました。でもこの「quiet carriage」の考え方はいいですね。電車が混み合う日本では難しい部分もあるのかもしれませんが、あったら利用したいくらいです。
そんなわけで、車窓を眺めながら*1静かめに(笑)時間を過ごし、カトゥーンバ駅に到着。

ここから巡回バスでエコーポイントに向かいます。



左側から見ていくイメージです。1枚目の左端にある三つの岩が、有名な「スリーシスターズ」。

その名の通り三姉妹にまつわる伝説が残っています。ざっと見ただけでも何パターンかあるようなので須賀、魔王が襲ってきた、種族のタブーに触れる結婚を巡り連れ出されそうになった―ことをきっかけに、村の魔術師が三姉妹を岩に変えたものの、魔術師自身が死んだ、あるいは鳥に変身して戻れなくなったため、彼女たちも岩の姿のまま残されてしまった、というものがあるようです。安易な一般化は戒めるべきで生姜、女性を部族社会の外に出すかどうかがテーマになっているようには見えます。もしそうだとすれば、(岩に変えてしまうことで)構造主義でいうところの「交換」を拒むことへの警告、という意味があるのでしょうか。

エリザベス2世はここから景色を眺めたのだとか。それにしても何となく青みがかっているように見えますね。

大自然の中のアトラクション

エコーポイントの次は、再び巡回バスに乗ってシーニックワールドヘ。これまた意味通り、風光明美な景色を楽しめる観光名所です。1人39ドルで、トロッコ列車と2種類のケーブルカーに乗って周囲を散策できます。

まずは渓谷の上空270メートルを行き交う「スカイウエイ」に。モノの写真を撮ってくるのを忘れましたが、往復の車窓からはこんな風景が楽しめます。




レストランで昼食後「レイルウエイ」へ。

最勾配52度というのが売りなのだそうですが、座る椅子の角度を調整することもできます。



こんな景色を見ながら割と本気で急降下していきます。

奥の線路を降りてきたんですね…。
そこから「ケーブルウエイ」谷底駅までは何種類かの遊歩道が整備されており、コンディションなどに応じて散策できるようになっています。



ここは元々、炭鉱として石炭を切り出していた場所で、今のように観光地化する前には「平日は石炭を運び、土日は観光客を乗せる」ような時期もあったそうです。そうした歴史に絡む遺構や展示もありました。


帰りはこちらの「ケーブルウエイ」で上に戻ります。

散策ルートを最短にしたということもありま須賀、お昼まで食べてシーニックワールドでの所要時間はおよそ2時間。もっとゆっくりもできる場所ですし、手軽に遊んでくることもできるよいアトラクションだったと思います。乗り物も絶叫マシーンそのものではありませんが、世界遺産の自然があり、炭鉱としての歴史がある中でスリルも楽しめる施設になっており、取ってつけたようなテーマパークの取ってつけたようなジェットコースターに乗るよりは断然いい経験ができました。
カトゥーンバ駅に戻り、午後3時20分の電車でシドニーへ。駅までのバスでうとうとしていた長男は、ここで寝るのかなと思っていたらかえって全くその素振りを見せず、本を読んだり遊んだりしていました。長男としては数分でも寝ていたおかげで目が冴えてきたということなのかもしれませんが、2時間あるんだから寝ておけばよかったのにと思わなくはなかったですけどね。

シドニーの夜景とビールを堪能

シドニーでは再びサーキュラーキー周辺を散策。



この写真はカドマンさんという方のご自宅だったそうで、ロックスと呼ばれるこの地域に現存する一番古い建物なのだとか。カドマンさんは1816年に馬泥棒の罪で流罪になったそうなので、築200年前後といったところでしょうか。
ここからゆっくり南下します。街中には仕事帰りと思しき人たちが溢れています。



夕食はこの近くのお店で。冒頭でも紹介したハンバート・ハンバート氏一家とご一緒させていただきました。長男と同い年と、3歳上のきょうだいも来てくれました。いきなり(?)言葉の通じない異国に放り込まれた2人がどんな日々を送っているのか、ちょっと気になっていましたが、会って様子を見聞きした限りでは元気そうで安心しました。まあもちろん、外には見せない苦労はあるんだと思いま須賀。自分も子の親になると、我が子からの連想でそういったことが気になりますし、私達もいつの間にか、そんな話をするライフステージに足を突っ込んでいたのでした。
当の長男は、薄暗い店内の照明で一気に眠気を誘われたらしく、いつもの爆食もそこそこに寝落ちしてしまわれました*2。いろんなビールが置いてある店だったのでゆっくり試したかったので須賀、最後は万事休すといった感じでした。お肉もおいしかったですよ。
タクシーで退散し、バタンキューでした。

*1:さすがにラグビーコートが多かったのは印象的でした。あとモスクも見えましたね

*2:やはり彼は、帰りの電車で昼寝をしておくべきでした