- 作者: 畠山宏一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 文庫
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議員秘書の方々とは現場記者時代を中心に関わることがありましたけれども、選挙と特にお金の話は興味深かったです。いわゆる「政治改革」前の中選挙区時代から業界にいる方だそうで、実感に基づく新旧の制度比較論みたいな話もいくつかありましたが、中選挙区や公募に対する批判はやや論理性に欠ける印象がありましたかね。
個人的に気になったのは、バレバレのイニシャルトークが多かったところでしょうか。実名でいけるものは実名で、ちょっと大っぴらにできないものはABC順のアルファベットで表記されているので須賀、その中間ということなのか、属性をにおわせつつイニシャルで登場する(元)議員たちも複数いました。ただ公開された情報からそれが誰であるか断定・強く推定できるものも多く、「そこまでにおわすんだったら稲田朋美ってはっきり書けよ」と思わなくもありませんでした。一方で、自分が長年仕えた代議士もこのカテゴリーで紹介しており、既に鬼籍に入られたという「H先生」が誰で、「畠山宏一」はどこの事務所の誰なのか、分かる人には分かることがある程度意図された本であるとは言えそうです。
この「分かる人には分かる」感じ、永田町界隈の人は楽しいんだろうけどそうでない読者は疎外感を持ちかねないんじゃないかと思うけどなあ…