現場を離れて久しい新聞記者のブログ。 読んだ本の紹介や旅行記(北朝鮮竹島イランなど)が中心です。 

ストーリーに現れる吉之助の好き・嫌い/「西郷どん」第十三話

第十三回「変わらない友」|NHK大河ドラマ『西郷どん』
篤姫の輿入れを成功させ、京を経由して久々に薩摩に戻った西郷吉之助。しかし老中・阿部正弘の訃報を受けて、今度は大久保正助とともに江戸にとって返すことになりました。
今回は物語の展開よりは、今後につながる出会いや伏線に注目してみましょう。まずは京で出会った・月照清水寺に拠った尊王攘夷派の僧で、この後吉之助と深い間柄となっていきます。深い間柄というのは本当に深い間柄だった、というのが原作者の解釈のようで、以下のインタビュー記事でも言及されています。
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女性に対する「不犯の誓い」のすぐ後に出会いのシーンがあるので、まあ示唆的ではあったのかもしれませんけど(笑)、今後その辺をどう表現していく(いける)のかはちょっと興味があります。あと、今ふと思ったので須賀、既に登場した橋本左内といい、吉之助とどんな旗印の下に共鳴し合った仲間なのかについてちゃんと触れられていないんですよね。月照についてはこれから説明されるのかもしれませんが、「尊攘派の志士」みたいな概念もちゃんと説明しないと、吉之助が人間的魅力でなんとなく人脈を広げていっただけのように見えてしまう点はちょっと懸念しています。
残りの二つは吉之助の「嫌いなもの」にまつわる伏線です。有名どころでいえば写真でしょう。彼の写真は現存しないとされ、よく出てくる肖像画も弟(西郷従道)と従弟(大山巌)を参考にして描いたものです。ドラマにあったように、主君・斉彬は写真好き(というより新技術好き)で、日本で最も早く被写体になった大名だともされていま須賀、その点吉之助は好対照なリアクションでしたね。むしろそんな「凸凹コンビ」ぶりが波長の合った理由なのかもしれません。もう一つは島津久光。彼に取り入った大久保正助とはこちらも対照的に、吉之助とは犬猿の仲となっていくので須賀、明らかに久光が吉之助に好感を持たなかっただろうシーンも描かれていました。この三人の関係性は最後の最後まで効いてきそうです。