戦中期の雑誌など豊富な資料を紹介し読み解きながら、その時期になされた戦争
プロパガンダや、実際の人々の暮らしを垣間見んとした本です。著者の言うとおり「トンデモ言説を嗤う」ネタ本というのが(少なくとも表面的な)コンセプトであるからか、悪趣味というかお上品とは言い難いコメントが多いのも事実です。それでも、▽厚生省が「薬用」としてケシの栽培(アヘンの製造)を奨励していたとか、▽当時は列車でのマナーが悪くて車両はゴミだらけだったとか、▽愛国女性団体のメンバーがハサミ片手に街頭に立ち、袂の長い着物を着ている女性を「贅沢している」と見なしてとっ捕まえて袖をチョキチョキ切ったとか、▽「
靖国がありながら戦死者を仏式で弔うのは国体明徴を軽んじる
天皇機関説の極致だ!」などというすさまじい主張がなされていたとか、非常に
笑える興味深い話が満載で、楽しく読み進めることができました。
あと一つ感じたのは、この本に掲載されている写真やイラストの雰囲気が、
北朝鮮のそれと似ているなあということです。それは少なくとも時系列的には主述関係が逆であるべきなので生姜、その共通点が「戦時
プロパガンダ」
*1としてのそれを抜け出ないレベルなのか
*2、それとも日本による植民地支配の影響があるものなのか、その点はちゃんと調べることができれば面白いのかなあと思いました。
最後に著者のブログを発見したのでご紹介しておきますね。こちらもなかなか笑える内容のようです。
虚構の皇国