かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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『戦国大名北条氏』(下山治久)

戦国時代に小田原城を拠点に関東に覇を唱えた北条五代の歴史を、関連文書に基づいて紹介する本です。信玄・謙信の「乱入」による永禄~元亀年間の関東の混乱ぶりや、秀吉の小田原攻めに至る以前の複雑な外交的駆け引きといった北条氏を巡る合戦史のみならず、相模を中心とする領域支配のあり方にも言及しています。ただ、史料に立脚した話の展開をかなりの程度重視したためか、読んでいてエキサイティングかと言われればあまりそうは思わなかったです。
個人的に一番イライラしたのは、編集者の仕事に対してです。まず、地図が全然付いていないので地名だけ羅列されても(馴染みのない地域の話だと)何が何やらさっぱり分からない。地名がたくさん載っていること自体には価値があるだけに、非常に残念です。しかも数少ない図の一つである小田原攻め(1590年)の包囲図に信長の「超」をつけてもいいほどの有力家臣・丹羽長秀(1585年没)が登場するという致命的ミス(笑) あと、ところどころ内容が重複するのもなんとかしてほしかったです。