かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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「北朝鮮並み」の特定秘密保護法案と石破発言

主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない…

沖縄など: 石破茂(いしばしげる)ブログ

一般の人々に畏怖の念を与え、市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べるような手法は、本来あるべき民主主義とは相容れないものであるように思います。*1

お詫びと訂正: 石破茂(いしばしげる)ブログ

今、波紋を呼んでいる石破茂自民党幹事長のブログでの発言で須賀、政界きっての安全保障通と見なされ、巨大与党の幹事長たる政治家が、国家や国家権力というものについて全く理解していないことを見事に露呈してしまいました。日本国をはじめとする近代法治国家は、警察や自衛隊という暴力装置を(少なくとも建前上)独占していることが大前提であって、丸腰の市民による国家権力へのデモを、あたかもご近所の騒音トラブルやみかじめ料を要求する暴力団のように、そもそも対等であるべき者同士の関係にすり替えるかのような物言いは、悪意に満ちた詭弁か、発言者の政治的不見識の証明であるかのどちらかでしかありません。
さらに恐るべきは、この発言が、目下審議中の特定秘密保護法案で差し当たり最もヤバいと思われる、同法案でのテロリズムの定義と軌を一にしている点です。

政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。(12条)

これでは、安全保障上重要な情報を共有すべき諸外国ではなく、むしろ政府がその脅威と見なしているような中国*2北朝鮮並みの法制である、と言わざるを得ません。与党幹事長がこんなことを口走っている以上、「この法案はデモをテロと見なしている」という指摘や懸念を、杞憂と切って捨てるわけにはいきません。
秘密保護法制自体に反対ではありません。そうであっても、問題とすべき点の枚挙に暇がない現法案は一度引っ込めて、再度練り直してきていただかねばいけないと思います。最近論点が別に移りつつありま須賀、この法制は外国の軍事オペレーションとの連携や一体化、つまりは集団的自衛権とも密接に関わってくる問題ですので、そもそも拙速は慎むべきです。

*1:太字は筆者による

*2:チベット族ウイグル族の人は3人以上集まるだけで罰せられるなんて報道もありますね