- 作者: 建林正彦,曽我謙悟,待鳥聡史
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: 単行本
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まず(私だとこの本で学んだような)検定や統計的有意など、この一冊での議論に使う「道具」をあらかじめ説明した上で、絶えず見通しを示しながら話が進んでいくため、非常に平易で読みやすいと感じました。共著の教科書にありがちな縦割りの章分担ではなく、全ての章に3人が手を入れる形式を取ったそうで、その良さが存分に出ているように思います。加えて、これは著者らが半ば意図したことでもあるようで須賀、この本はもちろん先ず以て比較政治学のテキストでありながら、先述のように制度というインプットとそこからのアウトプットを見るという意味で政治過程論の、日本でのあり方についても述べられているという意味で日本政治の、それぞれよい教材であるとも言えそうです。特に中央銀行制度については、先行研究の蓄積が十分でない*1ためか、「ああでもければこうでもない」みたいな話になってしまってはいま須賀、その点を含めて興味深く読むことができました。
あと読んでいてイヤでも感じさせられたのは、この本の下敷きとなったというレイプハルトの業績の「武名」でした。以前から関心のあった著者でもあり、近々挑戦してみたいです。
そんなわけで非常に楽しく読ませていただいたというのが率直な感想で須賀、ただまあやっぱり、こういう場面で今や少数派というか、特異な政治体制の国は出てきませんやねwww
*1:というよりも、経済の複雑な過程の中でうまい独立変数と従属変数を見つける試みがやや難航している