かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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台湾の休日五日目 桃園空港から日本へ

そして最終日。と言ってもこの日は帰るだけです。

「飛行機に乗れない」

まだ夜も明けない5時に起床。支度をして6時に宿を出ます。もと来た桃園空港行きバスが発着するターミナルは、宿から歩いて5分程度。このアクセスには全旅程を通じて助けられました。
想像よりやや早く、7時に第1ターミナルに到着。買い物と朝食を済ませて余った元を日本円*1に戻し、そろそろチェックインして荷物を預けようと離陸1時間半前にカウンターに行くと…
カウンターの女性「あなたの飛行機は第2ターミナルです。シャトルバスが出ているのでそれで移動してください」
げげっwwww 慌ててシャトルバスの発着場に行くも、第2ターミナル行きのバスはついさっき出たばかりです。2人でやきもきすること30分。待ちわびたバスに乗り込んだその時、台湾で見る初めての青空が目に入ったのでした。
(糸冬)

あとがき

今回もお付き合いいただきありがとうございました。実質3日間ちょっとのことではありましたが、台北を中心に九份、淡水、烏来と足を延ばすことができ、夜市も堪能できました。スケジュールとしては、2日目の昼までにもうちょっと台北ですべきことをやっておけばよかったかな、という気持ちはあります。
今回の旅に具体的かつネタ的な「お目当て」があったわけではありません。しかしその一方で、「台湾は比較的親日的」と言われるのを聞いたこともあって、本当かどうか確かめに行きたいという気持ちで台湾を選んだというのも事実であります。結果どうだったか。確かに私たちを見てにこやかに日本語で話しかけてくれる人はいました。紅毛城のように日台の紐帯を強調するような展示もありました。特に烏来のおばさんは、どのくらい商業的意図が含まれていたかはいまいち判然としないにせよ、私たちに非常に親切にしてくれました。
ただ、いきなり日本語で話しかけられるというのは韓国でも経験があることで、4泊5日で台北の周りをうろうろしていただけで「台湾の人たちは親日的」と決めてかかるのは難しい部分もあるでしょうし、近年の日本のアニメ文化などが国際的に評価される状況を見るに、日本の何に対するどんな態度が親日的で、また逆であるのかすら一筋縄ではいかないでしょう。ここでもし、非常に伝統的に用いられてきた意味合いにおいて台湾の「親日」ないし「反日」を議論するならば、紅毛城で見た特別展の内容は前者の典型的ロジックと言えるんだと思います。じゃあ、これは何なのか。正直今の私には知識と思考の蓄積があまりにもなくて、仮説というレベルでも何かを述べる自信はありません。紅毛城観光のところで思いつくことを書いてはみましたが、その結論はやはりそこで書いた通り、時期ごと(社会的かつ地理的)位置ごとに言説の移り変わりを追っていくことによって導くべきものなのではないかと思います。
今回、最初の部分で「いやあ普通に行ってきただけだけど旅行記なんて書いていいのかしら」なんてことを書きました。いやしかし、やはり当時を振り返って書くということは、旅先で起こった様々なことを追体験し、その時思いも至らなかったことをもゆっくり考える機会を与えてくれます。読んでくださった方にはお目汚しでしかなかったかもしれませんが、なんとか書き終えた感慨とともに、そのようなことも考えています。そして願わくばこの旅行記が、この日本にとって最もポピュラーな観光地の一つを知る際のわずかな助けにでもなれば、それに勝る喜びはありません。その意味での「炭鉱のカナリヤ」…だということにしておいてください(笑)
最後まで読んでくださった方と旅先で出会った方にたくさんの、そして同行者にほんのちょっとの感謝を込め、最後に一言贈って旅行記を締めたいと思います。これは、烏来の露天風呂の近くに書かれていたものです。

(2010年2月14日午前3時、自宅自室にて)

*1:19000円戻ってきましたw