かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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ヨーロッパ中毒奇行紀行六日目・リスボン近郊とロカ岬

旅程は6日目。この日はリスボンを離れさらに西、ユーラシア大陸最西端のロカ岬を目指します。日帰りショートトリップの一日…のはずが、なんだかとても長い一日になりそうですww

カスカイス・シントラ*1からロカ岬へ

カスカイス―眩しい水面と日差し

起床は8時。この日は快晴。この日の宿代35ユーロを支払い、10時過ぎに宿を出ます。アムステルダムやパリのさえない日差しにすっかり慣れっこになっていた私たちは、道路に焼きつく自分たちの真っ黒な影に少し戸惑いながら、カイス・ド・ソドレ駅へ。そこで今度こそ電車・バスが一日乗り放題のパス(12ユーロ)を購入し、まずは港町・カスカイスに向かいます。
海辺のリゾート地・カスカイスまでは列車で約40分。車窓からきらきら輝く大西洋を眺めているとあっという間に到着です。駅を出てちょっとした市街地を抜けて浜辺に出ると…

これが1月の風景かよwwww 暖かな陽気と青い空、青い海。もしここに飛び込むことがあっても、それは寒中水泳とは呼ばないでしょう。本当にコーラ(笑)が似合いそうなリゾート地。イルカちゃんとかがたくさんついた風鈴チックなお土産を3つ(15ユーロ)購入し、そのひとつはシントラちゃん*2に献上しました。そしてこうなる。
*3
写真見ながらビール欲しさに発狂しそうでした。でも、今日の目的地はここだけではありません。いつまでもバカンス気分には浸っていられないと、12時40分発のバスに駆け込み乗車。目指すは世界遺産の町・シントラ*4です。

そんなことないよーシントラだよー

バスはしばらくリゾート風の街中を北上した後、徐々に森の中へ。40分ほどの乗車で、詩人バイロンに「エデンの園」と言わしめた、シントラ*5に到着しました。バスの中でずっと「そんなことないよーシントラだよー」と連呼していた気がするので、他の乗客からは「うざったいバーバリアン*6」以外の何者でもなかったでしょう。
カスカイスに比べれば幾分涼しいこのシントラで目指したのは、市街地から南の丘の上にあるペーナ宮殿。そそくさと市内循環のバスに乗り換え、「世界遺産」とあってかカスカイスより格段に多い観光客の皆様と一緒に*7、細い山道を登って行きました。
宮殿には午後1時45分着。2時半のバスで市街地に降りたいので、ここの観光も45分限りです。この宮殿は19世紀、時の女王マリア2世の夫フェルナンド2世によって建てられたんだそうで須賀…




この建物を撮った引きの写真がないので表現しづらい*8ので須賀、色遣いといい形といい、何やら奇怪な印象ですよね。特に2番目の写真。なっている実が毒入りのように見えてくるほど、おとぎ話の魔法のお城みたいな外見です。内装は落ち着きがあってきれいでしたけどね。それでも私が魅かれたのはやっぱり外観だったりして、「変だけど綺麗」というよりは「変だから綺麗」というのがこの建物の魅力であるように感じました。時間の関係で全ては回れず、バルコニーから大西洋を眺めて退散しました。

坂を駆け下りバスに飛び乗り、40分にはシントラ*9の駅へ。次なる目的地・ロカ岬行きバスの出発時間を確かめて、バス停近くのカフェへ。そしてこうなる。
*10
私たちのほかにも、数名の韓国人女性と、2人の日本人女性が似たような感じで時間をつぶしていました。私たち同様、ロカに行くつもりなのでしょうが、どうしてこうも多いんでしょうね?同じくロカにバスで行けるカスカイスでは、アジア系の観光客は一人も見かけませんでしたけど…*11。そういえば警察官っぽい人たちが馬に乗ってました。

ロカ岬って言っても要は岬

3時25分発のバスには、案の定観光客がたくさん。中でも、っていうかかなりが韓国の皆様で、バスの中で知り合ったと思しき若者たちがとても盛り上がっていました。ユーラシアの東端は地図をどう見てもロシアなので須賀、ユーラシアの東の端っこを拠点とする国民、ということで、「自分たちの住む大陸の逆の端っこ」たるロカ岬への関心を彼らが強くそそられるのはある種自然なことなのかもしれません… そんなことを考えながら眺める車窓の風景はどんどんさびれ、ほのぼのとした田舎が展開していきます。
4時10分。ロカ岬に到着しました。そうであるのが当然であるかのようにすうっとのびる水平線。西経9度30分にあるこの岬が、ユーラシア大陸最西端です。

16世紀の詩人が詠んだ「ここに地終わり海始まる」を刻んだこんな石碑*12が立っていて、「最西端到達証明書」をくれるお土産物屋さんがあったりするんで須賀、逆に言うとあるものと言えばそのくらいで、言ってみればまあ、岬なわけです。


ですからこんな感じで、「ユーラシア大陸最西端」で生活している人がいて*13、釣りをしているおじさんも観光客相手に「近くに住んでてね。魚も普通に釣れますよ」なんて言ってるわけです。確かにユーラシア大陸の東の端っこのほうに住んでいる韓国人や、そのまた東の島に住む日本人にとっては珍しいのかもしれませんが、海辺には海辺の風景があります。そう考えていくと、「経度」なんて観念が流布し、世界各地の経度がちゃんと確認されるようになったのもそんなに昔のことではないでしょうし、いつ、どんなふうにこの岬が「ユーラシア大陸最西端」になったのか、興味無くはないんですけど、あの、なんっていうか(ry

ロカ岬はユーラシア大陸最西端!!!

しかしその一方で、やっぱり最西端なんです。もちろん近くに大きな島や大陸がないからであって最西端であることが十分条件ではありませんが、やっぱりこの水平線なんです。そして次々と訪れる韓国人ツアー客たち(笑) 女性2人組と記念写真の撮りっこ*14をしたり、5ユーロで手に入れた「最西端到達証明書」に興味津津のおじさんと握手して「大学で韓国語やってたんすよ」とかしゃべったりと、しっかり交流させてもらいました。やはりここがユーラシア大陸の西端であるからこそ、彼らがより強い思いを抱くのでしょう。ただまぁここまで来ると気分的には日本人も韓国人もご近所で、この場末感漂う岬の先っぽでオレたちよく会えたよなぁ兄弟、的な、ある種の再会のような気分もおじさんと接する中で感じたのでした。で、その証明書はというと…
島田紳助「私たち、一生懸命探しましたよ。あらゆる手を尽くしました。それでねえ、canarykanariiyaさん、証明書、見つけましたよ!!*15

…資料の入った段ボールを30分ぐらいひっくり返しましたwww
そして最後にロカ岬に沈む夕日を…

うーん、残念orz

シントラ*16再び

ともあれ夕日まで見届けたということで、帰路につくことにしましょう。5時半のバスでロカ岬を出て、6時過ぎに着いたのはカスカ…そんなことないよー!シントラ*17だよー! 何を間違ったか、カスカイスではなくシントラ*18に着いてしまったのでした。でもシントラ*19からも列車でリスボンに帰れるので、まぁちっちゃいことはわかちこして*20、夕食を摂ることに。近くにあった*21レストランに入り、2人でイワシの塩焼きと、それはそれは辛いタラの塩漬けを食べ、のんびりシャングリアを飲んで計28ユーロ。ナイフとフォークを使うのも、箸で魚をむしるのも苦手なのに、ナイフとフォークで焼き魚を食べるという貴重な体験をさせていただきました。
そこからバス→列車→地下鉄と乗り継いで、9時半に宿へ。最後の地下鉄は0.75ユーロ払いましたが、本当に1日パスには助けられました。

LISBOA THE NIGHT CLUB

辿り着いたはLUX

で、これで終わらないのが悪いところ。この友人は夜になると遊びを思い付くようで、帰り道あたりから「ねえ、リスボンのクラブ行こうよ」と猛アピールを開始。確かに明日はお土産でワイナリーぐらい行ければいいかという程度で、翌々日の飛行機も早いとあって、夜遊びをするなら「最後の夜」だったわけで須賀、基本的に夜遊びを知らない純朴な私は「わざわざポルトガルにまで来てクラブに行かなくたって」と思うわけです。ただそこは友人が強いww 半ば渋々2時間の仮眠をとって日付が変わるころ、カメラも持たない身軽な格好でナイトクラブが集まる西の方へと足を向けたのでした。
そんなわけでガイドブックを頼りに市電に乗って、まぁ大した基準もなく目に付いたクラブに行ってみる。しかしどのクラブに入ろうとしても、”private party”だと拒まれ、最後に”Good night”と言われてしまうのでした。最初の3つくらいまではそんなものかと思っていたので須賀、4つ5つと回るうちにさすがにおかしいだろうという話になるわけです。”private party”というのは、明らかに外国人風の私たちを断るための方便なんじゃないのか、このままだと夜中にクラブ街を歩きまわるリスクが上がっていくだけじゃないのか…もともと乗り気でなかった私は、友人と話しながらそんなことを考えてすらいたので須賀、えいやっと入ったLUXなるクラブが、私たち2人を受け入れてくれたのでした。

カンフーごっこから始まる交流

館内ではとりあえずビールを飲み、なんとなく音楽に合わせて体を動かし、気分が良くなってくると小島よしおの「そんなの関係ねぇ!」をやり、まぁいつもの酔っ払いで(笑)その場を楽しんでいました。すると、何やらこっちに笑顔を向けながら、カンフーのような動きをしているお兄さんがいるではありませんか。さすがに小島よしおとカンフーは違うわけで、その動きが(少なくとも)私が東洋人の風貌をしている*22ことに対して向けられたものであることは恐らく間違いありません。てなわけで、まぁいつもの酔っ払いで(笑)やるしかないですよねwww
…いつの間にか一緒にへんてこな踊りを踊ってくれる人の輪ができ、いつの間にか酒も進んで、いつの間にか私たちはテラスへ。いつのまにか少女は*23、じゃなくて、いつの間にかアブサンをあおりながら、いろんな人とおしゃべりを楽しんでいました。もちろん語学力の問題で友人の方に人だかりができていたので須賀、一番最初にカンフーをやっていたリスボンっ子のお兄さん、私が”political science”を専攻している、と言うと帝王学か何かと勘違いしたのか「冗談だろwww 政治家にでもなるつもりなのかい?」と叫んだアゾレス諸島*24出身のお兄さん、「今日は有名な○○のシークレットライブなんだよ」と教えてくれたイギリス人のお兄さん、そしてテラスの椅子に涼しげに腰掛け、医学を学びに来たと話すチェコ人のおねえたま*25…。 私にとっては思わぬ機会に、この旅の中で一番たくさんの出会いと触れ合いをもらうことができました。館内の一角にカップル用と思しきソファーが並んでいたことに大興奮だった友人は、まさかここまで展開を読んで、私を誘ってくれたのでしょうか。

遊び尽くして宿へ

クラブを出たのが翌朝の5時過ぎ*26。なんだかんだで夜通し踊り続けた私たちはふらふらで、友人はひどく酒に酔った様子だった、とメモに書いてあります。6時に宿に着き、倒れこむように眠りに着いたのでした…
ちなみに。このLUXなるクラブなんで須賀、今こうやって調べてみると、結構有名なところだったみたいですね。マルコム・マクラーレンという人とも関係あるんですか? 疎くてよくわからないのが残念なので、その辺ご存知の方がいらっしゃればぜひご教授ください。
しかしこうやってみると、カスカイス・シントラ*27はいいところですよね。いや、別にビールのことじゃなくてw 近郊にこんな風光明媚な街を抱えるリスボン*28って、実はかなりいい観光スポットなんじゃないか。ということで、この旅も徐々にゴールが見えてきましたかね? 最後に我らがアイドル・堀北真希さんにお詫びの気持ちを表して、次にいきたいと思います。

*1:そんなことないよー

*2:そんなことないよー

*3:ホテルのテラスで。一杯4ユーロ

*4:そんなことないよー

*5:そんなことないよー

*6:原義において

*7:私たちもその一員

*8:引きで撮れる場所が見つからなかった

*9:そんなことないよー

*10:サンドイッチと合わせて二人で10ユーロ

*11:世界遺産」のお墨付きがあるからなんじゃないかと勘ぐってもみるが、カスカイスと比較する条件もかなり違うので敢えて言うまい。てか冬だしww

*12:もっと高いです

*13:生業がなんなのかはわかりません。もしかしたら「ユーラシア大陸最西端」に建てた別荘か何かなのかもしれませんが

*14:ですから私の手元にあるのは男二人の写真です。誤解なきよう

*15:バラ珍

*16:そんなことないよー

*17:そんなことないよー

*18:そんなことないよー

*19:そんなことないよー

*20:誤用

*21:バス停からは歩いたが

*22:しかもなぜか床に拳を叩きつけようとしている!

*23:ちょうど作業BGMでかかっていましたw

*24:大西洋中部にあるポルトガル領の島々

*25:これはこっちが声掛けてみただけww

*26:一人37ユーロ使ったそうです

*27:そんなことないよー

*28:物価も安いし