かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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中国周遊記十一日目・済南

済南駆け足観光

ホントに浮いてる?黄河の浮橋

この日は8時15分に起きて、9時20分頃に宿を出ました。今日の夜には上海行きの夜行列車に乗らなければならなかったのでこのホテルには一泊しかしない予定だったので須賀、夕方まで荷物を預かってもらえるとのことで、チェックアウトの時に荷物を預けることにしてホテルを出発しました。
まず目指すは済南駅から北に数キロのところにある、黄河の浮橋です。バス(1元)を使って、10時過ぎに黄河公園に着きました。5元払って中に入ると、気のよさそうなおじさんが話しかけてきました。
おじさん「韓国?*1
Kくん「Yes」
私「ちょっ」
おじさん「アニョ…ハセヨ?」
私「イェ〜、アニョハシムニカ?」
「韓国人」の私たちから韓国語を習えたおじさんは、非常に満足げに手を振ってくれました。それにしても韓国語が全くわからない*2のに韓国人だと名乗るとはKくんも太いヤツですねwww
さてさて、本題の黄河なんで須賀、これはホントに黄色かったですね。昨日の雨のせいもあってか、かなり黄色く濁っていました。あとこの橋船の浮力で浮いているんですかね? 「浮橋」だけにそうなんでしょうが…

「韓国人」になって考える

橋を往復してバス停のあるほうに戻ると、またさっきのおじさんと顔を合わせることになりました。彼は私たちが帰るらしいということを察すると、満面の笑みでこう言ってくれました。
おじさん「アニョイ…ガセヨ!」
私「(OKサインを出して)アニョイゲセヨ!」
こうして「韓国人」としておじさんと別れられたことにKくんは満足げに見えましたし、もちろんこのおじさんも喜んでいました。しかし、「アニョイゲセヨ!」と拙い発音で叫んだ時の私は、とても惨めで悲しい気持ちでした。まずKくんの言葉を遮って日本人だと言っていたら、果たしてこのおじさんはこれほどまでにフレンドリーな態度を取っただろうか、と考えるとやはりいい気持ちはしません。それに何よりも、自分がどこから来たかを偽るということが、何かやましいことがあるみたいで非常に厭でした。これまでの経験からしても、「韓国人だ」と言うより「日本人だ」と言うほうが、相手の心証を悪くするだろうことはわかっていました。だからこそ、韓国人だと偽ることで、結果として逃げ隠れしてごまかしたような形になるのがとても辛かったのです。別にそれは「私は大和民族としてこの日本に生を受けたことを誇りに思うのであります、天皇陛下万歳!」とかそういうことが言いたいんじゃなくて(笑)、日本人として日本に生まれたということ自体は変えようのないことである以上、それを恥じる、あるいは恥じていると思われるようなことはしたくない、そう思ったのです。かといって、Kくんが日本人であることを恥じてそう言ったんだとも思いませんけどね。

チェックアウトで荷物を預け…

11時に再びバス(1元)に乗り、ホテルへと向かいました。済南の道路は道幅が広く、街並みも整然としています。それでも宿までに何ヶ所か渋滞してましたけどねw 11時45分に部屋に戻って荷物をまとめ、フロントに預けて今度は南へ向かいます。南行きのバス(これも1元)に乗って向かうは、かつて三皇五帝の舜が耕したとされ、数多くの摩崖仏があることで有名な千仏山と、その麓にある山東省博物館です。

昼食に段ボール入り肉まん

と、その前にお昼ごはんですねw 1時に博物館前に着いた私たちは、その近くの店で昼食を摂ることにしました。ここでは店が混んでいたのでご年配の方々と相席し、焼きナスとホイコーローと肉まんを頼んで二人で32元。どれもなかなかのボリュームで、結局全部食べきることはできませんでした。ちなみに肉まんは「大丈夫」かどうか確かめさせていただきましたよwww

雨漏りだらけの山東省博物館

腹も満たったところで、博物館の見学です。ここはKくんの「恐竜が見たい!」という強い要望で行くことになった(10元)ので須賀…


いくらなんでもちょっとボロくないっすかね?ww 博物館内に改築計画みたいなのが紹介されてましたが、そうなさるのも一つの方法だと思う次第であります。展示物についてはご案内の通り、六千年以上前の文物と恐竜などの古生物の化石がウリだったわけなんで須賀、個人的にはかなりの数の仏像の顔が削られていたり、首から上だけ明らかに材質が違ったりしていたのが印象的でしたね。文革の生々しい爪跡、といったところでしょうか…

仏山でexhausted

博物館のあとは千仏山です。ここは「山」というだけあって当然の如く山登りをせねばならなかったので須賀、あまりその覚悟ができていなかったからか結構堪えました。しかもヒイヒイ言いながら注意力散漫な状態で登っていたことが、肝心の摩崖仏の下を素通りしてしまうという悲劇をも招いたのでしたorz まぁ済南市街を一望できたのでよかったとは思いますけど。

ちなみにここの入場は30元で、中でスポーツドリンクを6元で買いました。このスポドリにはお世話になっています…

ホテルのバーはやっぱり高い

こうして登った千仏山を5時前にバス(1元)で出て、30分ほどで宿に着きました。と言ってもチェックアウトはもう済んでいますので、戻る部屋があるわけではありません。そこでしばらくの間、ホテルのバーで時間を潰すことにしました。二人ラフな格好でひょこひょこと入っていって、店員のお姉さんがくれたメニューを見てみると…高っ(汗 コーヒー一杯30元とか自重しろってww そんなわけでここでは、一番
リーズナブルだった(それでも16元はしたわけで須賀)青島ビールをいただくことにしました。Kくんはコーヒーでしたねw

夕食の冷麺は…(笑)

7時頃までそこで粘って、いい加減荷物を受け取って立ち退きます。半前に駅前に着いたので、そこで夕食を食べることにしました。昨日のイケメンのいる料理屋でいいんじゃないかという話もあったので須賀、せっかくだから別のところで食べようということで他の店に入ってみました。その店に入ったときには店が何やら取り込み中*3だったようで、客の私たちを全く相手にしてくれなかったので須賀、しばらくするとやけにテンションの高いおばさんが私たちの接客についてくれました。その彼女も私たちにビールを勧めながら私のノートを覗き込み、何人なのかと聞いてきたので今度はちゃんと日本人だと答えると、彼女は特に喜びも怒りもせず、持ち前のハイテンションで店内を立ち回っていました。まぁ喜びも怒りもしないというのが普通と言えば普通なんでしょうけど、黄河での一件があった後ということもあってなんだか嬉しかったですね。そしてお会計30元のところをKくんが勘違いして35元払ったせいか、おばさんも大喜びでした。ちなみにここで注文した冷麺は正直あまり美味しくなかったです。

駅と寝台列車

食後は済南の駅に入り、待合室で9時発の上海行き寝台列車を待ちます。待合室はかなりの人だかりで、壁や柱の辺りで立って列車を待っている人がいる一方で、一人で椅子の上に寝っ転がって席をいくつも占拠するような輩もいて、見ている側としては、そしてまた立って待っている側としてはかなり胃の痛い思いをさせられました。その一方で、荷物の詰め替えをしていてポロっと落とした一万円札を指差して教えてくれる人がいたりと、「中国人ってどんな奴らだ?」という問いを立て続ける限り悩ましい体験が続いたひと時ではありましたかね。あと売店でお水2本を5元で買いました。
乗り込んだ列車は、定刻の9時に発車しました。私たちは三段ベッドの一番上で、下には人のよさそうな家族が座っていました。

ここから上海に着くまで約9時間。その間何をして過ごそうかと考える間もなく、コンタクトレンズすらつけたまま深い眠りについたのでした…

*1:韓国人?

*2:と歩きながら言っていました

*3:なんかリフォームっぽいことをしていた気がします