かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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中国周遊記九日目・北京万里の長城観光

さてさて、この旅行記もついに山場を越えたわけで須賀、ここからもまだまだ旅は続きますので*1お付き合いのほどよろしくお願いします。

万里の長城に人を見に…

昨日は曇り空 きっとそのせいかしら

この日は8時15分に起き、身支度をして宿を出ました。本日の予定は七日目に行きそびれた万里の長城と、余裕があったら円明園まで足を延ばすことです。
宿を出てみると空は雲に覆われていて、傘を持って歩いている人も結構いましたね。ちなみに前方がものすごく霞んで見えたのは天気ゆえなのでしょうか、それとも今流行りの黄砂? この日も地下鉄に乗って(3元)前門まで行きます。我ながらもう乗り方は慣れたものですw

万里の長城へはツアーチケット

10時に前門に着き、一昨日行ったのと同じ案内所に向かいます。そこで遊覧バスと八達嶺長城*2への入場券がセットになった90元のツアーチケット*3を購入。これは一応貧乏旅行を標榜している身からすると痛い出費ではあるので須賀、北京市街から約70キロという距離を、路線バスの乗り継ぎで往復することのリスクと時間の読めなさを考えると仕方がないかな、という判断はありました。ちなみに五日目に泰山で会ったお二人に帰国後に聞いたところ、あの後タクシーで万里の長城に向かった彼らは、その道中で自動車の死亡事故に遭遇したんだとか(汗) そういう話を聞いちゃうと、ツアーバスという判断が悪くなかったという気にはさせられますorz あともう一つ付け加えておくなら、この時私たちにチケットを売って、バスへの乗り方などなどを英語で教えてくれたのは他でもない、一昨日行った時に「(゚д゚)ハァ?」をお見舞いしてくれたあのきれいなお姉さんだったのでした。なんだよお前英語全然しゃべれんじゃんかよwww

座席をめぐる大レース

待合室で30分ほど待っていると、私たちが乗るバスが来ました。するとにわかに周りの人たちが殺気立ち始め、我先へとバスの前へ殺到しようとします。確か待合室を出る際に、ある程度整列してバスまで向かうようになっていたはずなので須賀、多くの人にとっては「そんなの関係ねぇ!」*4らしく、抜きつ抜かれつしながら、行列なのかどうかちょっと怪しい人の群れをドアの閉まっているバスの前に作っていました。私たちはというと、スタートでやや出遅れたものの、周りのただならぬ殺気に急ぐべき状況であることに気づき、後ろの方ながらもそこまで悪くはない位置につけていました*5
そして、その時はやってきました。ドアが開くや否やその場にいたほぼ全員がいっせいに乗り口に群がり始め、押し合いへし合いの大騒ぎが始まったのでした。この「戦場」では肩肘を張って相手の動きを妨害する、なんてのは日常茶飯事で、斜めから割り込んだ上に手すりを掴みながらステップを上って、他からの「侵入」を押しとどめているおばあさん*6もいました。
そこでの私たちの「戦ぶり」はどうだったかというと…完敗でしたねww 二人ともまだ席のある状態で乗り込めたのはいいものの、後ろから詰めて座ろうという妙な考えで後ろに行っている隙に前の方の席を全部取られてしまうという「平和ボケ」っぷりを晒してしまったのです。で、しまいには私たちだけが座るところを見つけられずに通路で途方に暮れているところを例のお姉さんに発見され、一緒に席を探してもらうも唯一*7空いている席には女の子がお茶をこぼしていた、という笑うしかない状況で、すごすごと引き下がらざるを得なかったのでしたorz まぁそのかわりと言っちゃなんなんで須賀、その時のお姉さんの言葉通り次のバスが来た時には一番最初に案内してもらえたんですけどね。こうしてなんとか乗ることのできた八達嶺長城行きのツアーバスが動き出したのが午前11時。

ははは、人がゴミのようだ!

車内ではガイドさんが巧みなトークでツアー客を沸かせていたようで須賀、もちろん中国語のわからない私には何を言っているのか分かりません。となれば不貞寝しかありませんねwww トークの合間にガイドさんがバスの番号なんかを教えに来てくれた*8あとは、高速道路から見える周りの景色を見るのも半ば放棄してガン寝していました。
バスが駐車場に着いたのは12時半過ぎ。こちらは幸運なことに晴天です。ここからは3時まで自由行動ということになりました。この場所からはちょっと歩いて長城への登り口へと向かいます。長城の登り口周辺には食堂やお土産物屋がひしめいていて、ここでスポーツドリンクを7元で買って長城本体に登りました。すると…

もうずっと人大杉。上の写真はまだまだマシな方で、多いときはそれこそ押し合い*9でしたね。例えばこれなんかぎっしり人で埋め尽くされている*10の、わかりますか?

初めは長城の端から端まで往復する予定だったので須賀、人も多いわ景色も変わらないわで、途中で「転進」して帰ってきてしまいましたw ただ途中に一ヶ所子供用と見られるジェットコースターがありましたね、自重しましたがww
2時過ぎにはふもとに戻り、残った時間は昼食とショッピングで潰すことにしました。昼食は並んでいた店の一軒に入り、20元で「老北京炸醤面」というつけ麺なのかかけ麺なのかよく分からない麺をいただきました。味には不満はありませんでしたけどねw そいでショッピング。ここには外国人―もちろん日本人含む―が非常によく訪れるからか、日本語で貼り紙なんかをしている店もありました。曰く「当店より安い店は絶対にありません」。そこまで言うならと覗いてみると、なんとTシャツ1枚が120元*11! 即刻出て他の店でTシャツ2枚*1240元で購入しましたよww 他にも私たちを見て日本語で話しかけてくる売店のおばちゃんもいましたし、特に日本人観光客が多いのかもしれません。

「外国人向け」の長城

そうこうしているうちに集合の3時になったので、行きに乗ったツアーバスに戻りました。これで結局万里の長城とその周辺を2時間半かけて見たことになるわけで須賀、ここは外国人向けの観光地だ、ということを非常に強く感じましたね。まず多くのお土産物屋のターゲットが明らかに外国人*13ですし、長城の上でも"picture!"と言いながら有料の写真撮影を勧めてくる人が多々いました。しかもその長城の上でヌンチャクを売ってる人もいましたからねw これなんかは明らかに、その人たちが「万里の長城」ではなく「中国」のイメージで商売をしようとしていることを如実にあらわしている*14のだと思います。とか言いつつ50元を10元まで値切って買ったバカもいましたがww それはともかくとしても、それより何より、実際に我々含め外国人が多かったです。

さて、円明園に行くべきか

もちろん帰りのバスも「何事もなく」とはいきませんでした(笑) 帰りは行きと同じ席に座るということになっていたので須賀、一部でそれをめぐるトラブルがあったようなのです。ただ誰がどうしたことが誰の癇に障ったのかはもちろんわかりませんでしたけどねw 一時は周りをも巻き込んでやんややんやの野次合戦が繰り広げられていたものの、間もなく収束して前門到着の5時まではゆっくり睡眠をとることができました。
さてさて、しかしこの5時という時間は曲者なんですね。どういう意味かというと、今日行ければ行きたいと思っていた円明園の閉園が7時で、入場はその30分前まででした。そして前門から円明園までが地下鉄10駅(乗り換え含む)+バスというなかなかの距離。確かに明日の列車は4時発なので円明園は明日に回す、という方法もあったので須賀、明日は明日で建設中のオリンピック会場を見に行きたい、という気持ちがあったので、今日円明園に行けるものなら行っておきたかったのです…てなことを立ち止まって相談するくらいなら行ってみてしまおうというわけで、急いで前門駅から地下鉄に乗り込みました。

思い切って円明園へ向かうも…

今回は前門駅のある2号線から西直門駅で13号線に乗り換え、五道口駅へと向かいます。この13号線というのは他の地下鉄と様式も扱いも違っていて、他の地下鉄から乗り継ぐと2元高い5元かかります。てかそもそも高架ですw 改札やら切符やらの様子については、写真を見ていただくのが手っ取り早いかと思います。

これ見たことありますよねwww
西直門駅で13号線に乗り換え、そこからはご案内の通り地面より高いところを北へと向かいます。すると…………………………………………雨。一駅ごとに雨足は強くなってゆき、目的の五道口駅に着く頃にはかなりのザーザー降りになっていました。時計を見ると5時45分。うまくバスに乗れれば7時の閉園までに簡単な見物はできるでしょう。しかし改札を出ておじさんから折りたたみ傘(10元)を買い、雨に濡れない場所からバス停の位置を探しているうちに雨はますます激しくなり、ついには土砂降りの大雨に。ここは涙を呑んで撤退することにしましたorz
6時頃に再び5元払って改札をくぐり、宿へと戻ります。となると行きで使った西直門駅でもう一度乗り換えをすることになるので須賀、その時に見た路面がどう見ても乾いているんですねwww 本当にありがとうございました。こうしていつもの売店で水1.5元×2を買って7時15分に帰室。

再び王府井で豪華なディナー☆

その後は再び王府井の繁華街へ。今日は北京で最後の夜ということで、豪遊、はもちろんしませんけれどもちょっと豪華な食事を味わおうということになりました。で、一人当たり55元払ってこんな食卓になりました。

左の北京ダックが結構高かったので須賀、まぁこれが合計1800円しないってやっぱりお手頃じゃないですかね? もちろんおいしくいただきましたよ〜ビールでお腹が膨れて食べきれなかったけどorz

もちろん本屋の物色も忘れない

あ、言い忘れてましたが夕食の前に王府井書店という大きな本屋を見に行きました。確か8階くらいまである大きな本屋で、Kくんとも軽くはぐれてしまったので須賀、意外なことに韓国でよく見かけた日本マンガのコーナーを見つけることはできませんでした。文化開放制限の一環、ということなのでしょうか? 上海アニメチャンネルではひたすらテニプリが流れてたんだけどなぁ… あと印象的だったのは、国際政治コーナーにある本の半分近くが日本関連の書籍だったことです。内容的には日本の政治や外交に関するものや、日本の(政治)思想についてのものが多かったので須賀、そのどちらもやはり日中戦争などの日本の中国侵略と結び付けて論じられていそうな感じ*15でした。いずれにせよ、日本では「今後は日本をスルーした*16米中間のパワーゲーム」という言い方がされ、米中ともに日本はノー眼中みたいな印象が強くありま須賀、現時点ではまだまだそんなことないよーそんなこともないのかな、と感じた瞬間でもありました。ただ逆に言えば、今の日本の政治の動きや言説状況というのもまだまだ見られている、ということでもあります。
再び部屋に帰ったのは10時半。Kくんとよもやま話をして*17、2時頃就寝しました。

*1:少なくとも上海に戻らないと日本に帰れない

*2:一口に「万里の長城」と言っても、北京近郊に限ってもいくつかあるんですね。今回はその中で一番メジャーであるらしい八達嶺に行くことにしました

*3:ちなみに内訳はツアーバス50元+長城40元

*4:ちなみにこの時点ではそんなギャグ知らなかったですw

*5:たかがツアーバス(しかも座席数は確保されている)に乗るのにこういった表現を使わねばならないところに、この場の空気を汲んでいただけるとうれしいです

*6:しかもこの人かなり高齢に見えましたが…

*7:そもそもどうして二席ないのかがちょっとよくわからないんですけどw

*8:デキるヤツですよねww

*9:そんな状況で写真を撮るというのもなかなか難しいことなので(汗

*10:一番皮肉なのは、かく言う私も長城を埋め尽くすこの光景に参加していることです

*11:2000円弱です。竹下通りに行けばヘタしたら半額以下で買えますよね

*12:万里の長城毛沢東のシャツですww

*13:値段も外国人価格!

*14:毛沢東Tシャツが売っているというのも同じ構造ですよね

*15:漢字は読めても中国語ができるわけではありませんからね…

*16:いわゆる「ジャパン・パッシング」ってやつですか?ww

*17:むしろしなかった日とかないけど