かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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南朝鮮偵察記韓国旅行記二日目・顕忠院と民族舞踊

韓国で「靖国参拝」??

ジャージャー麺が甘いワケ

この日は9時半起床とゆっくりめの始動でした。確か北朝鮮に行ったときは結構な時間に起こされて集合→出発って感じだったんで須賀、今回の旅行はツアーではないので宿で寝ていようと思ったらいつまででも寝ていられるんですねw 韓国でもパックツアーとかにすればもちろん集合時間も決められたコースもあるんでしょうけど、何かツアーの北朝鮮と個人旅行の韓国、というコントラストに象徴的なものを感じずにはいられませんでした。もちろん北朝鮮を個人旅行なんて現時点では絶対無理ですからねwww
朝食は出前のジャージャー麺でした。これ具がメッチャ甘いんで須賀それは災氏の考えあってのことだそうで、その心は「辛いものと甘いものを交互に食べないと水戸のご老公が悲鳴を(ry」。 …。

初めての地下鉄in韓国

食べ終わるといよいよ出発です。当初予定ではチャングムのロケ地巡りをした後に民族舞踊を見る予定だったんで須賀、民族舞踊の開始時間が思ったより早く、チャングムは回りきれないとの判断から、昼間の予定が顕忠院に急遽変更。そちらに向かうことになりました。
私達が泊まる宿から顕忠院までは、地下鉄の종로3가(鐘路3街)駅から서울역(ソウル駅)駅*1を経由して동작(銅雀)駅で降ります。そんなわけで私達は宿を出て、地下鉄1号線・3号線・5号線の通る*2종로3가(鐘路3街)駅へと向かいました。
バスと並んでソウル市民の重要な足である地下鉄の駅は、総じて日本と似た雰囲気でした。まぁ多くの駅の自動券売機でお札が使えない*3ので駅員さんから買わざるを得ない、という難点はあったので須賀… 종로3가(鐘路3街)の駅は、先述の通り地下鉄が3本通る大きな駅なので乗りたい路線のホームに行くのに結構歩かされましたが、その辺も含めて日本の地下鉄に似てますよねw ちなみにエスカレーターの並びは右側でしたw
やっとこさ乗るべき電車のホームについて周りを見渡すと、いくつか日本と違う点が見えてきました。まず時刻表がありません。これはホームにない、ということではなくて、どうやら基本的に「何時何分にどこ行きの地下鉄が来ます」ということが告知されないということのようです。あとホームの電光掲示板で広告が流れます。まぁ次の電車の時刻を明示しないなら流すべき情報量も落ちますからね。

車内で話は大脱線www

程なく来た電車も車両自体は日本のどこかを走っていても全く違和感のないものでしたが、その中の様子には相違点がありました。まず一番驚いたのは車内販売です。突然おじさんが車両の真ん中に陣取って、なにやらテンポよくしゃべり始める。そして一通りしゃべり終えると周りの反応をうかがって次の車両へ… どうやら靴磨きを売っていたようです。彼は何か車内での販売許可的なものを持っているのかどうか気になりますね。そしていずれにせよ地下鉄車内という空間がどんな空間で、その中の人間はどう振舞うべきなのかという認識が日韓で違っているのではないかという思いは残りました。
そしてその思いをより強く感じたのが、車内での携帯電話の使い方です。ご存知の方もいらっしゃるのではないかと思いま須賀、韓国の地下鉄車内では携帯電話での通話は禁止されていません。てかそもそも地下鉄車内が圏外ではないということが驚きで須賀w それはともかくとしても、日本では車内マナー違反の言わば花形である車内通話と、日本でやったら迷惑この上ないとされて品物云々以前の問題として売り上げなど全く期待できなさそうな車内販売が、自然に存在している韓国と日本との、少なくとも電車内における「迷惑」の範疇の差を実感せずにはいられませんでした。
私はどちらかというと「国民性」や「県民性」などといった議論は好きではないので須賀、人ごみでの両者の所作などを併せて考えてもやはり、大方の日本にいる人にとって「迷惑」でありながら大方の韓国にいる人にとって「迷惑」でないエリアというのが少なからず存在するらしいということは言わざるを得ないと思います。ただ、だからといって日本社会における「迷惑」の基準が韓国社会におけるそれよりも厳しいと即断することはできない*4でしょうし、もしそうだとしても「カンコクジンは人の迷惑を顧みない」とだけ言い立てるのは短慮なことだと思います。なぜならそのコインの裏に書いてあるのは、「ニホンジンは心が狭い」ですから。

顕忠院―韓国の「靖国

長々と脱線しているうちに、電車は無事동작(銅雀)の駅に着いたようですw この駅は漢江の南側にあって地下鉄も高架の上を走っているので須賀、駅を出て即座に目に入った道路向けの看板に少し面食らいました。「국립묘지 정숙」。「国立墓地、静粛」。う〜ん、気合入ってるなぁwww
そこから5分ほど歩いて国立墓地・顕忠院の入り口に到着。入り口である以上顕忠院にはここから入るんで須賀、その前にこの顕忠院というのはどんな施設なのかということについて簡単に触れておこうと思います。まずはLife in Koreaというサイトに掲載されている以下の紹介文を読んでみて下さい。

 国立顕忠院
国立顕忠院は1955年に造成され142万 m² (43万坪)の大地の上に16万余りの位の殉国烈士と護国の英霊が祭られている民族の聖域です。 表門と向かい合っているところには顕忠門と顕忠塔が聳え立っており、顕忠塔には韓国戦争(朝鮮戦争)当時に戦死した勇士の中、遺体が見つからない10万3千余の位牌を安置しています。顕忠塔を中心に東西に故 李承晩大統領の墓と故 朴正煕大統領の墓をはじめ中国の上海の臨時政府要員、愛国の闘士、国家有功者、軍人、警察官、予備軍などの英霊5万余位が葬られています。 ほかにも殉国烈士及び護国の英霊の活躍ぶりを上映する顕忠館、遺品と戦利品を展示する遺品展示館、写真を展示する写真展示館などがあり、護国の英霊の霊魂を祭るたまの各種の記念塔が立てられています。
年間200余万人もの参拝客の足が途切れず、学生、一般団体、国軍将兵などの奉仕活動が継続されており、毎年6月6日の顕忠日(戦没者追悼日)には護国英霊の冥福を祈る追悼行事が行われています。冠岳山のコンジャク峰を主峰に精気あふれる尾根が屏風のように三面を取り囲み、前には江川が曲がる43万坪の小ぢんまりしたここ国立顕忠院は国民が殉国烈士と護国の英霊を追慕し、愛国愛族精神と護国の意志を固め、散歩や休息も取ることができる護国公園として活用されています。
(中略)
入場料: 無料
お問い合わせ: (02) 748-6854, (02) 826-6237
所在地: 銅雀洞 山 44-7
観覧時間:
3月 - 10月: 6:00 - 18:00 (開放) | 9:00-18:00 (参拝)
11月 - 2月: 6:30-17:00 (開放) | 9:00-17:00 (参拝)
参拝する時は敬虔な気持ちを抱き、心身共に清浄にした上で、参拝してください。←―キタコレ*5

もともと朝鮮戦争での戦死者を弔うために作られたこの国立墓地は、「殉国烈士および国家有功者」(顕忠院HPより)や後に起こるベトナム戦争の戦死者をも安置する中で「殉国烈士と護国の英霊が祭られている民族の聖域」(Life in Koreaより)としての体裁を整えていきました。その中にはもちろん「朝鮮末期の義兵と3.1独立運動の民族代表15人など抗日独立運動に生涯を捧げた愛国闘士200余人が葬られ」(同上)る愛国闘士墓域なる区域も存在します。日本で言えば靖国神社アメリカで言えばアーリントン墓地のようなところ、と言えば乱暴かもしれませんが、まぁそんな場所です。

もうずっと墓大杉

話を戻しましょう。門に入るとすぐのところに大きな「忠誠噴水台」があり、しばらく歩くと「顕忠塔」なる大きな塔*6があります。そしてそこから先は、墓、墓、墓。しかも同じ形の墓が整然と並んでいるので途中から墓が墓じゃないような気分になってきましたが、否、全て墓なんです。一つ一つの墓の裏側にはしっかりと命日が刻まれていました。そして発見した忠烈台。ここはいわゆる抗日独立運動で命を落とした人々を顕彰するモニュメントなんで須賀、先客のおじいさんに「どうぞ参拝なさい」みたいなことを言われたらしい*7日本人一行は相当焦ったのでありました。その後も墓地内にあるハズの朴正熙の墓を探してうろついていたので須賀ついに発見できず、遺品展示館を見学して退散することになりました。その間参拝客というよりハイキングっぽい格好のおじさんおばさんが多かったですね。

レーゾンデートルとしての反共・反日

…まぁ正直長くなるとキツイのでこれで次に移ってもいいんで須賀(藁)、せっかくなので感想を。自国の戦争を「正戦」化してその下での戦死者のみを顕彰する、高橋哲哉氏が言うところの「靖国の論理」の存在と、その論理がこの国の体験した朝鮮戦争や抗日独立運動*8の祖国防衛戦争的な側面によってより補強されているという点は確かにその通り、展示館の展示やモニュメントの横っちょにある解説文*9で感じました。
ただね、この施設に葬られそして祀られている大部分は、くしくも朝鮮戦争ベトナム戦争という言わば反共の戦争と、抗日運動という反日の闘争の死者なわけでしょう。つまりこの施設を言わば貫徹する論理として、反日・反共というものがあると。だとすればね、いいですか、これはいわゆる日帝の植民地支配から独立し、そして反共の前線基地として成立した大韓民国という国家の、言わばレーゾンデートルとでも言うべきものに深くリンクしてくる。もっと言うならこの国立墓地としての顕忠院の存在自体がね、韓国という国家のレーゾンデートルと、その歴史の正当性をこれは担保していると見ることができるわけでしょう。そうだとすればね、いいですか、今の韓国で起こっている一連の歴史の見直しについてはこれはいろいろと議論があるけれども、いいですか、この流れの中でね、今まで国家のレーゾンデートルとして存在した反共・反日という聖域にもメスが入れられ、言わば韓国版イェドヴァブネのような事例が出てくる可能性もボクはあると思っている。それにね、今後のこの地域の地政学的条件如何では、北朝鮮や日本とこれまで以上に密接な関係を築いていかざるを得ないという状況も十分考えられるわけでしょう。そうするとね、今まで韓国が言わば錦の御旗のように押し立ててきた反共・反日とまぁ訣別せざるを得なくなったときに、じゃあこの施設はどうなるのかと。ここはこれからじっくり議論をしていかねばならないでしょう。そのときね(ry
…失礼しましたwww ただ私がここで一番強く感じたのはそのあたりです。

民族舞踊と焼肉@明洞

民族劇場で「オレ、トーダイ!」

さてさて、広い上に起伏の多い国立墓地を歩き回って結構へたってしまった一行は、地下鉄に乗って民族舞踊の劇場に向かいました。その周辺でケンタッキーのセットを食べた*10後、いよいよ劇場へ。そしてこの劇場*11では学生証を提示すると割引になる、と聞いた災氏が受付でとった行動はもちろん…
オレ、トーダイ!*12
すると受付のお姉さんからは予想のできなかった反応が返ってきました。
…笑ってる?? そうなんです、どうやら外国人の場合は留学生などが持つ「国際学生証」が必要だったらしいのです。まぁ今回は勘弁してもらいましたがwww

南北問わず踊りは癒し系?

こうして入った劇場は暗くてとても暖かく、椅子の座り心地もなかなかでした。そこに腰掛けてしばらく公演を見ていると…



(ry
なんかこういうこと前にもありましたね*13www いやでも一応初めの方と後半は起きてたからw かいつまんで(藁)見た印象としては、「伝統芸能」の一言に尽きるということなんだと思います。北朝鮮の「スーパー小学生」の演技やアリラン祭公演は彼らが言うとおり「現代音楽に民族性を」志向したものであった一方、こちらの公演は伝統的な民俗芸能をほぼそのままに近い形で再現している、と見た範囲では思いましたw あと公演の最後に電光掲示板に出た「ありがとうごじゃいました」*14にはワロタwww

災氏はやっぱり( ・∀・)< エロいな

公演終了後には、サービスということなのか屋外でのちょっとしたパフォーマンスと写真撮影会がありました。民族舞踊のお姉さんと写真撮影。そう聞いて居ても立ってもいられなくなった災氏*15は、割り込むようにして(?)「プリマドンナ」との撮影を果たしご満悦の様子でした。彼曰く、「やっぱり踊りをやっている人は立ち居振る舞いが違うね。でもやっぱりうちのクラスの○○ちゃんが(ry」。左様で御座いますか。

「カウボーイ。福清、福清こっちよ」

その後は夕食の焼肉を食べに明洞へ。お店は福清というお店です。もちろん焼肉自体も楽しみだったんで須賀、「ソウルの新宿」と災氏の言う明洞という街にもワクワクしながら地下鉄の出口を出ました。そしてその街並みは…そうですね、小奇麗な歩行者天国の真ん中で露天商が小物を売っているメインストリートと日本語の看板*16が印象的な、確かに日本の繁華街に近い街でした。ただ新宿に似ていたかと言われるとよく分かりませんね、確かに新宿さぼてんはあったけどwww
そんな明洞のメインストリートからは少し外れたところに、福清はありました。というよりは福清に続く脇道の入り口に立っていた「カウボーイ」を自称するおじさんが、私が手に持っていたクーポン券を発見してそちらへ誘導してくれた*17んですけどねw
店内は日本人もいましたが韓国人客も多く、奥の方の韓国人客はコール飲み*18なんぞをやっていました。カルビもキムチもマッコリもとてもおいしかったで須賀、客の目の前で肉を切ったり焼いたりという「サービス」が過剰だった気はしましたね。

「カウボーイ」再び

サービスが過剰と言ったらやっぱり例の自称「カウボーイ」なんですけど、このおじさん帰りにもやってくれましたw 再び彼の前を通った時の一幕です。
私達「잘 먹었습니다*19
おじさん「〜*20。」
おじさん「! picture,picture!」
私達「? ああ(と言いながらカメラを取り出す)」
おじさん「(突然それを取り上げて後ろにいた全く関係ない女性二人組に渡し、)〜*21。」
二人組「(ry」
これでちゃんと撮ってくれた二人組に感謝ですwww

できるだけ、認定。

宿に着いたら即寝でした。んで3時間後くらいに起きてみつおと明日の打ち合わせ*22をして、部屋に帰ってテレビ*23見ながら認定試験の勉強をして3時頃就寝。
ふぅ…まだまだ頑張りますw

*1:「ソウル駅」駅というのはなかなかにおかしなネーミングではありま須賀、この「ソウル駅」というのは地上の鉄道の駅のことを指します

*2:韓国の地下鉄は乗換駅がうまく分散されていて、仁川1号線を含めた10路線のうち4つが交わる駅というのは存在しません

*3:初乗りが900ウォンなのでこれはきついですよね

*4:印象としてはそうなんですけど、韓国で「迷惑」とされながら日本ではそうではないエリアが存在しても、日本に生まれて日本に育ってきた人間がそこに気付くことは困難ですから…

*5:太字著者注www

*6:内部にも入れるようで須賀、半開きになっていて入っていいのかどうか分からなかったので覗くだけにしておきました

*7:もちろん聞き取れない

*8:彼らの中には「日韓併合条約無効論」を盾に独立「戦争」だと主張する向きもあるそうで須賀…

*9:もちろん読んだのは英語www

*10:「一万ウォンの幸福」なる二人用っぽいセットを二つ買って食べました。さすが韓国と言うべきか、チキンは辛いのがデフォのようです。

*11:貞洞劇場といいます

*12:この人は旅行中結構この行動に出ましたね、まぁいいけどwww

*13:そうです、アリラン祭です

*14:韓国語にはザ行に相当する発音と文字がないのでまぁ仕方がないっちゃ仕方がないんでしょうが

*15:( ・∀・)< エロいな

*16:これが面白いんですね、間違いが多くてwww

*17:最初話しかけられた時は新手の客引きかと思って普通に無視しましたwww

*18:「一気」は"One shot"と言うらしいですwww

*19:ごちそうさまでした

*20:何って言ってたか憶えてないけど「どういたしまして」か「ありがとう」あたり

*21:よく聞こえなかったけど「撮ってくれ」と言ったのでしょう

*22:明日行くことになっていたチャングムロケ地巡りは「ドラマを見ていないと分からない」(災氏)とのことだったので、明日の昼までは二手に分かれて行動することになったのです

*23:クレヨンしんちゃんやってました。でももちろん韓国のしんのすけは、母親を呼び捨てなんかにはしません