歴史、政治、社会、文化など、幅広い分野で「韓国の現在地」を紹介する本です。日頃の報道などではなかなか出てこない、韓国を知る上での前提条件になるような内容が多く収められています。
例えば少子化や経済格差、老後の経済的不安といった日本でも社会問題となっている現象の多くが、日本よりも苛烈に現れています。その結果、若い世代の少なからずは自国を「ヘル朝鮮」と呼んで絶望し、子供が海外で活躍できるよう多額の教育費を投入するようになっているというのです。単純比較は難しい問題で須賀、こうした格差や生活不安へのフラストレーションの強さは、韓国社会を見る上でかなり重要な要素であるという気がします。
canarykanariiya.hatenadiary.jp
私が見た朴槿恵退陣デモも紹介されていましたが、市民の直接的行動によって民主主義を勝ち取った「成功体験」とともに、プッシュ要因とプル要因のような形でこうした現象も理解できるのかもしれません。
こうしてみると日韓は社会課題という意味でもかなり共有しているとも言えるわけで、お互いの知見を生かしあえるような、前向きな関係が築ければ利益もあると思うので須賀…
やや時事的で「腐りやすい」内容を扱っている難しさはありま須賀、テーマの「横の広さ」でうまく韓国やそこに住む人々の生活を描けている本だと思います。