かぶとむしアル中

取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

北朝鮮竹島イラン旅行記
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親子の2018年12月読書「月間賞」

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私はこちらにします。トランプ大統領の個々の行状をあげつらうのではなく、政権としての問題がどこにあるのかを意思決定過程を踏まえて論じていますので、情報の新旧を超えた価値がある本だと思います。

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑

 

長男はこれだそうです。どちらかというと私が一目惚れして買ってきてしまった絵本です。彼としても、生き物だけでなく食べ物や乗り物の「寿命」を紹介したり、あるいは各国の平均寿命を一覧で示していたりするところが面白かった、と言っていました(意訳です)。幅広い内容をとっつきやすく盛り込んでいる絵本だと思います。

 

2019年となりましたが、今年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

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超高級ホテルの「いなす力」/『ザ・ホテル』(ジェフリー・ロビンソン)

 

ザ・ホテル―扉の向こうに隠された世界 (文春文庫)

ザ・ホテル―扉の向こうに隠された世界 (文春文庫)

 

ロンドンの超高級ホテル「クラリッジ・ホテル」を題材に、その日常の出来事や裏舞台を紹介したノンフィクションです。

韓国の金泳三大統領の訪問や、女王・エリザベス2世が出席する晩餐会といったイベント際する大掛かりな準備のみならず、「超高級ホテルの常連」面をしたいちょっとめんどくさい客への対応、「扉の向こう」でのスタッフ同士の機微など、様々な内幕がリアルに描写されています。

その中で興味深かったのは、ホテルスタッフたちの「いなす力」でした。

高級ホテルではこれほどまでに個別の宿泊客の要望に応えているのか、というのも驚きでしたが、それでも物理的orルール的に断らざるを得ない注文(譲れない一線)というのはあるものです。その時、如何に相手の気分を害さずに落としどころを見つけ、あるいは諦めてもらうか。その多様な事態への対応力、場合によっては相手をいなす力こそが、サービス業の腕の見せ所なのかなと感じました。

私自身、この種の高級ホテルに泊まったことはあまりありませんが、敢えて似た経験を挙げるなら、キューバで泊まった「ナシオナル・デ・クーバ」でしょうか。

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まあこのホテルのハウスキーパーは、私たちを「いなす」どころか正面からバトルを展開してきたんですけどねwww

しかしこの一件、本に出てくるような幹部の朝礼で議題になったりしていたのかな、と想像してみると、今更ながらちょっと笑えてきます。

ハウスキーピング部門からの報告。「◯△◇号室の日本人家族客が、衣服のクリーニング代の支払いを拒否。料金表を手渡されておらず、一度も有料のサービスだと言われなかったと主張、議論がかみ合わず」

 

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4歳と鈍行二人旅(其の六 新幹線総合車両センター)

最終日、寝坊してしまいました…

東北本線岩切駅から支線に乗り換えます。接続が悪くて途中20分くらい待ち。

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新利府駅のホーム

駅から車両センターの入り口はかなり離れていました。見学者は敷地の外周をほぼ半周せねばならず、私たちは歩いて30分弱かかってしまいました。

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見学者用の入り口。簡単な申請書を書けば無料で入れます

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展示スペースへの入り口が改札仕様になっていました

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新幹線に関する展示紹介のほか、プラレールレイアウトやプラレールで遊べるコーナーも

屋外にも展示が。昔懐かし200系新幹線は、中に入って遊ぶこともできます。

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200系の手前に見えるのは試験用新幹線のSTAR21だそうです

さて戻りましょう。

利府線は本数が少ないので、逃すわけにはいかないとえっちらおっちら歩いていたら、親切なドライバーさんが陸前山王駅まで送り届けてくれました。乗り換えもせずにすみ、助かりました。

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陸前山王駅ホームより

ここから仙台まで出て、新幹線で鉄道の旅を締めくくりました。

 

 

最後に

帰りの新幹線で書いているので須賀、本当に目一杯、巡ってくることができました。

本人にも伝えましたが、一にも二にも長男のおかげで旅行を続けられたと思っています。絵本なりシールなり、1日に一つ退屈しのぎになりそうなちょっとしたものを渡すなど、2人で煮詰まらないような工夫&手抜きをしてきたつもりです。それにしても、乗り物内で手に負えなくなることはありませんでしたから、よく頑張ってくれたと思います。

ただ、ご覧いただいたように主にローカル線の旅でしたので、乗り逃してしまうとかなり苦しくなる局面もあります。また、宿は前日の夜あるいは当日の朝に(一応、長男の意見も聞きつつ)決めるパターンが多く、とするとその場所までは辿り着かなくてはなりません。そんな事情もあり、彼をかなり急かしてしまったことがあるのも事実です。その点はちょっと申し訳なかったです。

私としても、2人でいろんな乗り物に乗って、いろんな場所を訪ねるのも楽しかったです。その一方で、長男が寝静まった後、明日は2人でどんなことをしようか、どこまで行ってどこに泊まろうかと、時刻表と寝顔を眺めながら考えている時間も幸せなものでした。

国内旅行について書いたことはなかったはずで須賀、今回はちょっと面白いかなと思いやってみました。ご覧いただいた方、ありがとうございました。

 

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4歳と鈍行二人旅(其の五 青い森鉄道〜IGRいわて銀河鉄道〜東北本線)

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浅虫温泉街から望む陸奥湾

20日はここから一生懸命南下します。青い森鉄道で八戸。

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駅近で食べたいかめしとせんべい汁

盛岡行きに乗り換えると、IGRいわて銀河鉄道線に入りました。

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八戸駅にて。車両はIGRです

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車窓からの岩手山は圧巻でした。車両にビュースポットの紹介もあります

盛岡から東北本線です。

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一ノ関行き。この電車では長男はずっとお昼寝でした

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小牛田行き。この電車で宮城県入りです

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仙台行き。よく頑張ってくれました

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仙台駅に到着!

ホテルにチェックイン後、有名な牛タンチェーンの店へ。たまたま長男が電車の服を着ていたことから店員さんと話が弾み、近くの新利府駅に新幹線の車両基地があることを教えてもらいました。

www.jalan.net

明日はここを訪ねてから、家路につきましょうか。

 

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4歳と鈍行二人旅(其の四 津軽海峡フェリー〜青い森鉄道)

一転南進することにしました。函館を離れる前に五稜郭

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地上からは星型はわかりません。これは模型

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濠が凍っています。この氷、東京で売られていたこともあるんだとか

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タワーより望む五稜郭

ここからタクシーでフェリーの埠頭へ向かいます。

www.tsugarukaikyo.co.jp

こんな感じの船内で3時間半のんびり過ごします。

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船内のロビー的な

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自由席。ここでお弁当広げました

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函館ターミナルで買った290円弁当。衝撃のあまり、子供雑誌の「めばえ」を買い与えてしまいましたw

青森ターミナルから青森駅までは、ちょうどバスで移動できました。

青い森鉄道浅虫温泉へ。

 

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青い森鉄道は、キャラクターでも売り出し中のようでした

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10年近く前に廃業した温泉旅館。駅前の一等地のはずだが…

浅虫温泉は失礼ながら、想像以上に寂れていて驚きましたが、いい湯を楽しむことができました。

夜、たまたま歌番組をつけていたら「津軽海峡冬景色」をやっていました。

興奮気味の私は長男に「ほら、2人で津軽海峡を船で渡ってきたでしょ。青森駅、さっきいたでしょ」と繰り返したので須賀、彼は何のことやらといった風でした。

明日はさらに南へ向かいます。

 

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4歳と鈍行二人旅(其の三 奥羽本線〜北海道新幹線)

18日は秋田から奥羽本線を大館行、弘前行と乗り継いで新青森まで向かいます。

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八郎潟周辺

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東能代駅。風光明媚で知られる五能線への乗り換えが多かったです

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弘前駅を過ぎると雪深いですね

 新青森駅からは新幹線で北海道へ。鈍行列車ちゃうやんと言われればその通りなので須賀、現在、鈍行列車のみで北海道に渡ることはできないため、特定特急券を買えば空いている席を利用することができるようになっています。前掲の北海道・東日本パスのサイトには、

 ・「新函館北斗新青森」間内相互発着に限り、別途特定特急券を購入すれば、新幹線の普通車の立席(空いている席)を利用することができます。

 と明記されています。今回はこれを利用しました。

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新青森駅で買ったちらし寿司

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雪に覆われた新函館北斗駅

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はこだてライナー函館駅

函館駅にはプラレールが展示されていました。青函トンネルも再現されていました。

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函館駅プラレールレイアウト。こういうの見ると疼きます

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函館駅

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函館駅前その2

 日没後に函館山へ。

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ロープウェイとクリスマスツリー

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函館山からの夜景。自撮りツーショットには失敗しました

特に夜は、雪が吹きつけてきて寒かったです。

それに懲りたのか、息子はこれ以上北上しないと言っています。

 

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『FEAR 恐怖の男』(ボブ・ウッドワード)

 

FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実

FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実

 

米国で最も有名、と言っていいはずの記者による、トランプ政権への取材成果です。

米韓自由貿易協定の破棄という極めて影響の大きい決定を、秘書官らが大統領の机から書類を隠すことで阻止していたという冒頭のエピソードが、この政権のあり方に関する全てを物語っていると言えま生姜、一応整理すると、以下のようになるかと思います。

原書の副題は「Trump in the White House」で須賀、著者が指摘する問題点は、トランプとホワイトハウスの双方にあります(もちろんこれらは連関しています)。一つ目はトランプの特質です。重要会議後に出席者と話したホワイトハウス高官は、このようなメモを書き残したそうです。

「大統領の上級顧問、ことに国家安全保障チームのメンバーは、大統領の不安定な性格、問題に対する無知、学習能力の欠如、危険なものの見方に、極度の懸念を抱いている」

無知や危険なものの見方によって「とんでもないことを決めようとすること」*1、しかしその不安定な性格によって「まともに決められないこと」がトランプ大統領の特質であるようです。

もう一点は、ホワイトハウスの機能不全です。同じく本書では、このように指摘されています。

「トランプは、一人か二人か三人だけしか関与させずに決定を下すことが多かった。意思決定と調整のプロセスがなかった。その状況は、混沌と無秩序というような言葉ではいい足りない。要するに、なんでもありだった」

ある問題について、そもそも意思決定のラインにいないはずの人間が、裏で大統領と直取引をして物事を決めてしまうことが続くと、本来そのラインで一定の関与が出来る人までが、「外野」の介入を防ごうと手続き無視に走るようになってしまいました。冒頭の米韓自由貿易協定の例も、その政策的な結果の善し悪しはともかくその例と言えるでしょう。つまり、雪崩を打つようにホワイトハウスの意思決定プロセスが崩壊してしまった、ということを指摘しているのです。また、重要閣僚の交代が多いことも政策形成過程の安定を欠く要因と言えるでしょう。

このように意思決定過程が制度化されていない政権と(たとえ同盟国といえ、いや、同盟国だからこそ)、どう対峙していくのかは難しい問題だと思います。有力者のうち誰かしらを、何らかの方法で味方につけるというのが手っ取り早そうで須賀、そういうやり方が不正や汚職を生みやすいのは言うまでもありません。

そして何よりこれが、今のアメリカ合衆国の政治風景なのです。

 

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*1:ただこれはトランプの立場からすれば、それこそヒラリーらを含む米国内のエスタブリッシュメントにとって「とんでもないこと」なのであって、彼がそれを確信犯的に行なっている側面は否めません